クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

クラシック音楽のCDを中心に演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

シベリウス 交響曲第5番 ベルグルンド(73)

2010.12.11 (Sat)
ベルグルンドシベ全ボンマス
ベルグルンド/ボーンマス交響楽団(73、EMI)は後年の2種のこの人の盤より好きだ。
新盤に行くに従ってより緻密で精緻な方向に向かうが、
この演奏にはもっと自然でのどかで明るい雰囲気が横溢するからだ。
録音も爽やかなスケール感があり良い。録音場所はサザンプトンのギルドホールで
広大な音場と冷ややかな空気はこの曲にふさわしく成功している。

第1楽章は朝もやの中に徐々に風景が見えてくるさまが非常にうまくとらえられている。
遠近感ある金管、粒だつティンパニにの締めなど素晴らしい。
木管は時に鶴の声を出す。
第2楽章はヘルシンキ盤に比べると1分ゆったりの9分。
こののどかな雰囲気、木漏れ陽のなかでウトウトするような。
爽やかな風が絶妙な優しさで頬を過ぎる。
終楽章は慌てず素朴な弦で始まる。
アクロバティックな演奏が多いなか、ここでは優しさを基調とした音楽。
ベルグルンド独自の呼吸感がシベリウスの音楽にアーチをかける。
終結部分、トランペットが奥で主題テーマを繰り返す中で弦が
ほんのりした歌を歌いながら両者が高揚していく様はぞくぞくする。
全編に亘り、ベルグルンドの絶妙な表情がぴったり決まっている。
楽譜の校訂者の深い読みを作為を感じさせず反映しているところが凄い。

13:26  9:07  9:27   計 32:00
演奏  S   録音 88点

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