クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

クラシック音楽のCDを中心に演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

シベリウス 交響曲第2番 レヴァイン(91)

2010.12.05 (Sun)
レヴァインシベ25
レヴァイン/ベルリンフィル(91、DG)は「スーパー・ヴィルトゥオーゾ・オーケストラ、
0ベルリン・フィルがレヴァインのもとで最高に美しいシベリウスを聴かせてくれる」
というコピーそのまま。
フィンランドの自然とかシベリウスの人となりなどを超越して素晴らしい音響の世界。
それを好む人にとっては「最高」そうでない人にとっては「耳をふさぎたくなる」かも。
シベリウスの演奏方法についてこうしたセンスや価値観があるのだと
知ることはいいことかもしれない。
録音はベルリン・シャウシュピールハウスでのライブで広大な音場に
Dレンジ広く取られたオーディオ的な優秀録音。
ただし、好みとしてはシベリウスにはゴージャスにすぎる。

第1楽章は速め9分そこそこで駆けるが、早くもベルリンの豪快な金管が
巨大なホールにこだまする。レヴァインだとたぶんこうなるだろうなと思う展開。
彼が振ったプッチーニの「トーランドット」は最高の名演だと思うが
その手法はシベリウスにはやはりミスマッチ、と感じる。
第2楽章はややもすると退屈なのでこの演奏は速めのテンポで時に表情を大きく取って
面白く聞かせようと努力する。表情はさっぱり系だが北欧の厳しい冬という感じでなく
より近代的で無機的なさっぱりだ。とはいえ、ベルリンの演奏力およびそれを引き出す
レヴァインはさすがではある。
第3楽章も速いパッセージをシルキーに力強く駆ける。
終楽章まで来るともうこの演奏様式に慣れる(なんという柔軟な私!)。
ホレホレもっとやってくれという気持ちに変わる。そうなればこの演奏は120%すごい。
とにかくオケが余裕綽々で大音響の渦を巻き起こす。
コーダに向けて加速していく時のピアノからフォルテシモの爆発力は大伽藍を見るよう。
コーダにおける主題の吹奏はここまで明るくあっけらかんとやった例はない。
面白い!
この演奏会にいたならば、この音響に脳髄が痺れてブラヴォーと叫んだかもしれない。
ちなみに彼のシベリウス・チクルスはこのあとの4・5番で頓挫する。
何故か?理由はわかる。

9:07  12:43  5:51  12:37   計 40:18
演奏  超   録音 93点

コメント

頓挫した理由は。。。
レヴァインのシベリウス、とても素晴らしいので交響曲全集を完成してほしかったです。頓挫した理由が分かるとの事ですが、それは何ですか?
ナチュラルパーマさん、こんにちは。
レヴァインのシベリウスの2番は本場物とは全く違う視点で率直に自分の音楽をやりつくした快演だと思います。
彼の「スカッとドラマティック」な音楽性が効果を生んでいます。
その後、92年に5番・94年に4番を録音したところで止まり全集にはなっていません。
その理由は2つあると想像します。
一つはそもそも全集を目指していなかった、のではないかということです。そうした意味では「頓挫」という言い方は適当ではないですね。
レヴァインのディスコグラフィを眺めると全集に拘らず自分にフィットするもの録音するというタイプの指揮者のように感じます。
もうひとつは、製作者側の意図で継続しなかったということです。彼のシベリウスはかなり独自で、セールス面で期待できるマーケットがないと判断したのではないでしょうか。
これはいい悪いとは別次元の商業的な話です。
以上あくまで私個人の推測ではあります。
近時体調不良も伝えられますが、また元気な演奏を聴かせてほしいものです。

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