クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

クラシック音楽のCDを中心に演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

シベリウス 交響曲第2番 バルビローリ(40)

2010.09.19 (Sun)
バルビシベ2nyvncon
バルビローリ/ニューヨークPO(40、Columbia)はバルビローリの50歳の時の音楽は
かくも溌剌としていたのだと驚く。ワルターもバルビローリもステレオ時代の音楽で
我々は評価するが壮年期は全く違う音楽をやっていた。
人間の評価とはどの時代を切り取るかで変わるものだ。
考えてみれば70代では心的テンポは遅くなりバトンテクニックは怪しくなるから、
音楽はゆっくりと進行し、オケは一生懸命確認しながら歩みを進めるので
何か妙な味が出てきたりする。「優しい微笑み」「人間味」は老年期の彼らの評価だ。
録音はスタジオ収録のコロンビア音源をDUTTONが復刻したもので
およそ70年前の音とは思えない豊かな音で蘇っている。モノラルだが時にそれを忘れさせる。
第1楽章から鮮烈な音楽だ。オケがやはりニューヨークということで非力なハレ管に
比べてスケールの大きな音楽。金管が前面に出て輝かしく鳴るところはアメリカを感じさせる。
第2楽章はステレオ66年盤より2分半も速く颯爽としている。
独自の粘りを見せるところはバルビの後年の片鱗。
第3楽章もニューヨークフィルのオケ力を見せつける。
比較してしまうとやはりハレの音は独自だ。
終楽章は真のスケールを獲得している。小細工なくまっすぐに突き進む。
展開部の迫力はハレ盤とは比較にならない。手に汗握る。
ライブでもないのにオケが熱く燃えている。メラメラと。
終結までものすごいパワーのオケと指揮者。一瞬の緊迫パウゼを2回入れ大団円。
世評の高いバルビのEMI全集(私は評価しつつも違和感のある全集)だが、
この有無を言わさぬ演奏に接してしまうと
バルビはあんなもんじゃなかったと大きな声で言わざるを得ない。

8:22  12:31  5:41  12:25   計 38:59
演奏  熱A+   録音 78点

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