クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

クラシック音楽のCDを中心に演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

シベリウス 交響曲第2番 ベルグルンド(97)

2010.07.16 (Fri)
ベルグルンドシベ123EOC
ベルグルンド/ヨーロッパ室内管弦楽団(97、FINLANDIA)は通俗に堕さないように
配慮された演奏。「内密」でこの2番を見事に仕上げた。
この人はシベリウスの楽譜の研究者でもあるだけにあれこれいじくり回すことも多く、
この盤も独自性がある。
しかしこの2番は人間の意志の仲介を許す曲なのでそれが煩わしくない。
それよりも豪快さを排し、今までの演奏と決別し新たな魅力を示してくれた恩恵は大きい。
この曲の壮大さに辟易とする向きにはお勧めの1枚。
録音はオランダのRFOホール。新しい録音だが少しくすんだ音で地味目。
第1楽章は何回となく演奏したであろうこの曲の裏も表も知り尽くしたうえで
自分の刻印を随所で押す。強弱、楽器の明滅などあくの強くならないぎりぎりの線で
止め内省的な雰囲気も残す。
第2楽章も人数を増強したこのオケを鳴らしきるのでなくデリケートに扱うところがいい。
第3楽章は疾風の後の感謝の気持ち、田園交響曲のような穏やかさ。
終楽章にアタッカで入る部分も豪快な盛り上げよりも喜びの感情がふつふつと沸く。
こじんまりした表現だがなんという温かさ。
展開部にもっていくときの密やかな感触はゾクゾク。その後は金管に独自の
クレッシェンドを与えながら雄渾な頂点。しかし、音響で圧倒するようなことは無い。
終結も抑制された金管を伴い慎ましく終える。ダンディで大人な演奏。

9:07  13:30  5:59  12:55   計 41:31
演奏 A+   録音 90点

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