クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

クラシック音楽のCDを中心に演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

シベリウス ヴァイオリン協奏曲 カヴァコス(90)

2010.07.07 (Wed)
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カヴァコス/ヴァンスカ/ラハティSO(90,BIS)は初稿版による演奏との併録だが
これは添えものでない。ソフトなタッチで感情をひそめた幻想音楽。
録音はラハティの十字架教会でソロが空間に溶け合う柔らかい音。
第1楽章はしっとりとした歌。ヴァイオリンとオケは同じ方向で融合する。
ソロは自己主張を強烈に行うのでなく秘めやかな感情の吐露。
オーケストラも羽毛のような感触で寄り添う。派手な身振りは無く音楽を慈しむ。
なんと癒される音楽だろうか。
第2楽章も10分をかけてたゆたう世界。これ以上遅くするとさすがに音楽が
持続できないぎりぎりの線。こうした極端なテンポは23歳のヴァイオリニストの
志向でなくヴァンスカではないか。そうした意味では、ラクリンとマゼールの盤と
関係性が似ており、奇しくも耽美的な音楽が出来上がった。
終楽章はリズムを強調することなくなだらかな進行。
ここでもヴァイオリンの線は細くか弱い。
オーケストラとソロは対峙ではなく慰めあっている。
独自の世界のシベリウス。

16:47  10:02  7:40   計  34:29
演奏  A+   録音 94点

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