クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

クラシック音楽のCDを中心に演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

シベリウス 交響曲第2番 ザンデルリンク(74)

2010.05.07 (Fri)
ザンデルリンクシベ全
ザンデルリンク/ベルリン交響楽団(74、BerlinClassics)は小細工を排した懐の深い演奏。
この人についていけば安心できるなと感じる。
録音は東ベルリンのキリスト教会で量感があり美しい。
LP時代も腰のあるいい音だったと記憶するがリマスターもよく今でも十分通用。
第1楽章は極めてゆっくりなテンポで淡々と流れていく。
淡々とというのは適切でないかもしれない。彼らなりの自然体。
無理にいじくりまわさず丁寧に扱っているし歌心もある。色彩は渋くややくすんでいる。
第2楽章もその流れをくむ。ザンデルリンクはムラヴィンスキーのもとで学んだが
彼の演奏はそれとは一線を画す。かといってドイツ風と言い切るにははばかられる。
この指揮者の合理性と知性が感じられる。
それゆえ当時の東独は彼にシベリウスの全集を託したのではないだろうか。
第3楽章は指揮者がリズムをとる足音が聞こえる。決して浮つかず重厚な音の奔流。
ベルリン響の低弦は好きだ。7分という保有盤最長の時間をかけて太い筆致で
この楽章に存在感を与える。独特の粘りを持った金管に押し出されるように終楽章に突入。
終楽章の図太いブラスと弦の対流にティンパニがくさびを打ち込む。
どんどんスケールが大きくなる。
こうなるとヴァンスカの演奏がなんか繊細に過ぎてひ弱な音楽に思えてきてしまう。
カラヤンの派手な音響も全く必要なく感じる。
このどっしりとした安定感は心を開放する。
終結の13:19で一瞬息をひそめ、クレッシェンドしていく解釈は珍しいが、
弦の刻みが異様に明確でチェリのブルックナーのロマンティックの終結部を思い出した。
とにかく聴き直して惚れなおした。

10:23  13:15 7:01  14:48   計 45:27
演奏 A+   録音 88点

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