クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

クラシック音楽のCDを中心に演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

シベリウス 交響曲第2番 デイヴィス(94)

2010.04.21 (Wed)
デイヴィスlsoシベ294
デイヴィス/ロンドン交響楽団(94、RCA)は絢爛豪華だった旧盤の響きを
巨大さを保ちながら内に向かって凝縮したような音楽。内容が多すぎて爽やかに
この曲を聴こうとする向きにはあわない。体力気力の充実している時に聴けば、
この曲にこれほどまでの深淵が口をあけていることに気づくことになる。
録音はブラックヒースコンサートホールでマスと個のバランスが良い。
第1楽章は一歩一歩かみ締めるように始まる。その後も大まかに曲を掴むのでなく
ワンフレーズごと丁寧に音を紡ぐ。全体として大河の流れのようだが、
各楽器が意志を持って重なり合う面白さ。10分かけた独自の音楽。
第2楽章も15分かけるが、拡散した遅さとは違う。深く沈んでいくような表現は
この楽章が後期交響曲に足を踏み入れている感を抱かせる。
管のソロパートが中空を彷徨う。弦は傷つき引き摺るような表情。
実は私はこの楽章が苦手なのだがここまで意味深に聴かせる演奏に初めて出会った。
単に静寂と咆哮を繰り返す演奏は他にあるがこれは違う。
しかし第1、第2楽章とここまでやってしまうと後半のバランスが心配になるほど。
第3楽章はドンドンドンとドスの効いたアクセントが有効。低い重心で浮つかない。
この楽章も決して流さずフレーズごとの表情が見事。
終楽章へ入ると悠然としたテンポで辺りを祓いつつ進む。
バス声部がやたら効いているので凄みがある。
展開部へ進む部分では止まりそうになるほど歩みを遅くした後、力感を昂進しながら加速する。
この部分はこの曲の見せ場だが決まっている。
重量級の音楽が終結まで軽くなることはない。
北欧系の感性とはまるで違うがこの説得力には参る。
なお、この盤ではデイヴィスの唸りが入っていないのが嬉しい。

10:14  15:24  6:07  14:46   計 46:31
演奏  A+   録音 92点

コメント


管理者のみに表示

トラックバック