クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

クラシック音楽のCDを中心に演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

シベリウス 交響曲第1番 マゼール(92)

2010.03.18 (Thu)
マゼールシベ全sony
マゼール/ピッツバーグ交響楽団(92、SONY)は手練手管の限りを尽くして
初期のシベリウスを面白く聴かせようと腐心している。
それが吉と出るかどうかは聴き手次第だが、全般的にこの曲の荒々しさを
強調しすぎない知的でソフトタッチな演奏を私は好ましく感じる。
録音はハインツホールで残響は多くないがむき出しでもなく
薄いヴェールをかぶったような音。
第1楽章はスケール感大きく、表情が多彩。後期マゼール様式がぷんぷんするため
作為ある表情が鼻につくと聴いていられない人もいるかも。
私はこんな感性も面白がるのでこの演奏を楽しめる。
12分(バーンスタイン新盤)を超える演奏時間の中でフレーズごとに独自の表情を
繰り出してくる。ただ、ピッツバーグの音のせいかこれだけやりたい放題やっても
重くならないでカラッとしている。そうした意味では不思議な演奏である。
終結直前でテンポをぐっと落としハープを美しく響かせ徐々に加速するあたりの
芝居はマゼールの面目躍如。
第2楽章は弱音を強調。バーンスタインほど重くなく
むしろ第1楽章と比べるとさらりとしている。
第3楽章も野蛮にならずそれぞれの音を丁寧に置いている。
この楽章をこんなに繊細にロマンティックに仕上げる指揮者も少ない。
終楽章もマゼールの意図が隅々までいきわたっている。
意図したことをここまで徹底させるオケのコントロール能力はやはりただものでない。
この楽章もロマンティックだが音の出し方が非常に慎ましい。
感情の趣くままにひたすら歌いまくるのでではなくぐっと堪えるような表情が
好ましい。終結のか細さも併せ持った弦の歌わせ方も感動的で
マゼールマジックにまたもややられた。

12:15  9:00  5:30  13:31   計 40:16
演奏  A   録音 92点

コメント


管理者のみに表示

トラックバック