クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

クラシック音楽のCDを中心に演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

シベリウス 交響曲第4番 アンセルメ(63)

2010.03.13 (Sat)
アンセルメシベ4
アンセルメ/スイス・ロマンド管弦楽団(63、DECCA)はかなり独自な響き。
オケの管がフランス系だし弦はささくれる。そしてなんと言ってもアンセルメの解釈が
明快すぎてシベリウスの持つ「雰囲気」を剥ぎ取っている。特に最長の第4楽章が面白い。
しかし、なぜアンセルメはこの曲を録音したのだろうか?
録音はジュネーブのヴィクトリアホールでやや古さが耳につくが全体としては良好。
第1楽章から低弦の威力が凄く、ミキシングの際ブーストされたように響く。
全般に明るく明快。この曲特有の暗さよりもきっちり楽譜を鳴らしましたという感じ。
オケは演奏に不慣れということのあってか金管や弦などもたつく場面がある。
全般的な陰影の薄さは全ての音を等価として扱うようなところから来る。
クレンペラーが指揮するとこのような感じではないか。
第2・3楽章も同じ印象。
終楽章はグロッケンを鐘でたたく。しかしこの演奏の特色はまさに演奏自体にある。
テンポが保有盤中最も長く、まったりとした感触で独自。
意識ははっきりしているか朦朧としているのか自分でわからない音楽。
ギリギリのところで崩壊・分解しそうな危険性をはらんでよたよた進行する。
それぞれのパーツが平行して音を出すため普段聞きなれない音も出る。
一句一句分解的。音楽が変質し別の曲のよう。幽玄の曖昧模糊の世界とは逆。
しかし、開き直って聴いてみるとこの不思議な楽章をもう一度探検してみたいと思った。

9:43  4:29  9:44  11:41  計 35:37
演奏  変   録音 85点

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