クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

クラシック音楽のCDを中心に演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

シベリウス 交響曲第4番 ベルグルンド(68)

2010.02.15 (Mon)
ベルグルンド4パヌラ5
ベルグルンド/フィンランド放送交響楽団(68、FINLANDIA)は原始の森の音がする。
このオケの地味ながら曲にぴったりの音色を味わえる。
ヘルシンキとの録音が瞑想の世界ならこちらは北欧の森の奥深く。
聴き手にこびることなく、というよりむしろ突き放したようなぶっきらぼうさをもつ。
録音はヘルシンキのkulttuuritaloコンサートホール。
ややデットながらこのオケの音色を良く伝える。
第1楽章冒頭の野太い音の後のチェロのモノローグは印象的だ。チェロの音色だけでいえば
この深い音は最上のものではないか。この演奏ではチェロが随所で活躍する。
ある意味主人公の心の惑いのよう。後年の演奏に比べると意志的で音の明滅、隈取りが
くっきりしている。これはこれで印象的。瞑想感ではヘルシンキの方だが
このやや粗削りの木質の音も忘れ難い。
第2楽章も図太い。それでいて厚ぼったくなく自然の声が聞こえるところはさすが。
第3楽章の幽玄の世界の表出は見事。伸びやか過ぎず、やや曇ったヴァイオリン、
チェロの音はほんとにシベリウスにぴったりだ。
そうした中で浮き上がるチェロの独奏がまた素晴らしい。
終楽章は森の木霊が響き渡る。後年の微妙な表情はなく直截的に音を置く。
整理されない倒木の横たわる原始の森。闇と嵐。荒涼とした静けさ。
人の気配はない。シベリウスはなんという音楽を残したのだろうか。

10:22  4:25  10:44  9:40   計 35:11
演奏  A+   録音 90点

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