クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

クラシック音楽のCDを中心に演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

シベリウス 交響曲第4番 ベルグルンド(84)

2010.02.14 (Sun)
ベルグルンドシベ47
ベルグルンド/ヘルシンキPO(84、EMI)は私になかで理想的な演奏。
マーラーのような人間の音がしない。
シベリウスが自分の病を知ってこの曲を書いたというが、この演奏には死との格闘はない。
すでに一線を越えた黄泉の世界。リアルの世界でないこの儚く美しい音は現生のものではない。
録音はロンドン、トゥーティングのオールセイントチャーチ、美しい響きがする。
アビーロードでなくてよかった。
第1楽章は冷たい空気感のなか美しい歌。これはこのオケが独自に持つ音。
この演奏からは自然の声が聴こえる。人間の情念を超えた自然の声。
第2楽章もさらりとした流れ。体温は低い。フルートやクラリネットも森の木霊。
第3楽章ははかないフルートで深淵に落ち漆黒の中で彷徨う。幻覚を見ているような演奏だ。
終楽章も何も解決にならない。フォルテも慎ましく出ている。
テンポの交替が非常に効果的に行われ頭の中がくらくらする。
抑制の中で表情がころころ変わる。これが自然に行われるからすごい。
完璧にこの曲を手中に収めている。この演奏を聴いた後は放心状態になる。

9:39  4:41  9:55  9:57   計 34:12
演奏  S   録音 90点

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