クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

クラシック音楽のCDを中心に演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

シベリウス 交響曲第2番 カラヤン(80)

2010.02.12 (Fri)
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カラヤン/ベルリンPO(80,EMI)は2番の再録音でデジタル。カラヤンは2番は実演で
取り上げたことはないというが、こちらの録音のほうはひっきりなしにいろんな形で
発売されている。一定のセールスがあるのだろう。
カラヤンの演奏についてシベリウスはどう思うか。案外これだけの壮大な交響曲に仕立てた
ことについて素直に喜ぶかもしれない。北欧の響きがしないという批判もあろうが、
ハリウッド映画に「中身がない」という評論を下すようなものではないか。
録音はベルリンフィルハーモニーで広い音場。アンサンブルは完璧でなくトランペットなど
にオヤッと思うミスがあったりするがカラヤンはこの演奏を気に入っているのだろう。
第1楽章は恰幅の良い響きが空間を満たす。フォルテもこのオケの持ち味を生かすし
ティンパニも硬めの音でトレモロを明確に紡ぐのはこのころのカラヤンらしい。
第2楽章は優しいレガートと豪壮な金管・ティンパニの対比が凄い。
私はこの第2楽章が実は苦手。「アンダンテ」で通常は心を落ち着かせるはずの
楽章なのに切り裂くような大絶叫が入る。カラヤンはそれを極限まで容赦なく拡大させる。
心が苦しくなる。
第3楽章はベルリンの重厚な弦が響くが次の楽章に備えて少し控えている。
トリオのレントはテンポをぐっと落としオーボエにしっかり歌わせる。
ここら辺の演出はさすが。木管群もさすが。
終楽章はぐっとテンポを落とし力を溜める。悠然としたテンポは保有盤最も遅い。
肥大化したバーンスタイン/ウィーンを凌ぐ。波が寄せては返すような凄い演出。
展開部に入り各主題の断片が合成されパワーが生成される過程は鳥肌が立つ。
厚く塗りこまれた大音響と横綱相撲でねじ伏せられる。
実演で聴かされた日には失神するのではないか。
なぜカラヤンがこれほど演奏効果の上がる曲を実演で取り上げなかったのが非常に不思議だ。
東京で聴いたあの「展覧会の絵」の「キエフの大門」以上の喝采が期待できるはずだ。
カラヤンの演奏家としての最後の良心が咎めたのかもしれない。

9:46  14:32  6:43  16:29  計 47:30
演奏  外   録音 90点

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