クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

クラシック音楽のCDを中心に演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

シベリウス 交響曲第3番 カム(82)

2010.02.07 (Sun)
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カム/ヘルシンキPO(82、TDK)はヘルシンキ・フィル初来日公演のもの。
S57.1.22東京厚生年金会館(H22.3.31閉館!)でのコンサートは覚えている。
FM東京の抽選で当たった私はクラシック初心者の家庭教師の教え子とともに
新宿に出かけて行った。コンサート終了後この教え子のポカンとした顔が忘れられない。
彼は正直まったくこの渋いシベリウスが理解できなかった。
なにせ、3番と6番のコンサートである。
かく言う私も実はこのコンサートにいい印象を持たなかった。
まず、この会場の音響の悪さ、そして効果を狙わない演奏。もっと興奮させてほしかった。
それまで3番はザンデルリンクの剛毅な演奏で親しんでいたから、
その対比で言うと物足りなかった。
・・・ところがこのCDを今聴くとまるで印象が異なる。
まず、音。生で聴いたときはもっと乾いた音がしていたがこのCDの音のほうが潤いがある。
そして演奏。淡泊以外の何物でもないと思っていたその演奏にこれほどのニュアンスが
あったとは。当時気がつかなかった。そのニュアンスはいずれも外面的なものでなく
道端に咲く小さな花のようなものでこちらが見ないと見落とすものである。
北欧の音楽の多くはこうした要素を含んでいる。
向こうから威圧的に「どうだ、わかるだろ」とは言ってこない。
そして録音のマジックかもしれないが結構メリハリもある。終楽章グウッと盛り上がる。
全体の演奏傾向は72年盤と変わらず自然なもので一層渋みを増しているが、
DG盤の整った録音と感動的な第2楽章があるのでそれを優位に置いた。
相変わらず地味な活動に終始しているカムだが、今ならどう演奏するのか。再録音を望む。

10:07  9:08  8:44   計 27:59
演奏  A+   録音 87点

コメント

これはFMのTDKオリジナルコンサートを当時のオーップンリールで録音して聴きました。評論家の渡辺某氏が激賞していたのを覚えています。終楽章の盛り上がりが素晴らしく、CDが出て2番と共にすぐ買いました。カムで良いのはこれとフィンランド放送響との1番が気に入っています。
シベリウスファンさん
オープンリール!懐かしい言葉です。
カムとラハティ響の新たなシベリウスチクルスに
期待ですね。

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