クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

クラシック音楽のCDを中心に演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

シベリウス 交響曲第7番 バルビローリ(66)

2010.02.03 (Wed)
バルビシベリウス全集
バルビローリ/ハレ管弦楽団(66、EMI)は心の内面を曲に融合させた見事な演奏。
このような演奏はほかにない。
録音はキングスウェイホールで適切な音場が与えられる。
リマスタリングにより音が新鮮によみがえっている。
冒頭よりこの曲に寄り添う繊細な表情が心をひきつける。
一つのフレーズごと丁寧に感情を込める。少しセンチメンタルなくらいだ。
情感の高ぶり、心の鎮静の波や震えが手に取るようにわかる。
オーケストラの響きは洗練や豊かさからは少し離れているかもしれないけれど
荒涼とした心象風景を映し出すにはうってつけのようにも思える。
弦のみならずオーボエをはじめとする木管も侘しさの表出に一役買う。
この演奏でもう一息の点があるとすればVivace以降の5分のスケール感。
しかし、この第7番の再現は本当に難しい。
心の深奥と広大な宇宙を両立させる演奏は常識的に困難だ。
この演奏は内面の部分に比重が寄る。
終結部のティンパニの一打と決然とした弦の幕引きに秘められた意思が
最後の最後に解き放たれる瞬間を見せる。素晴らしい演奏だ。

21:54
演奏  A+   録音 87点

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