クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

クラシック音楽のCDを中心に演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

シューマン 交響曲第4番 ベーム(78)

2010.01.30 (Sat)
ベームシューマン4
ベーム/ウィーンフィル(78,DG)はこの曲の演奏としては異端なのだろうが大好きな演奏。
何しろウィーンの音が魅力的。これほどウィーンフィルの音をうまく発揮させ
かつ捉えた録音は同じ年に録音されたベームの新世界くらいではないか。
思うに、ベームの演奏様式とシューマンのそれとは
本来大きなギャップがあるようにも感じられる。
実際この演奏もかなりベーム寄りだが、このころのベームの人生を達観した者の
なんとも言えない優しさがにじみ出ているように思える。
録音は、ムジークフェラインザールで鮮度、音場ともに良い。
第1楽章は重厚。この楽章に12分かける演奏はバーンスタインの71年非公式ライブほか
知らないが演奏様式はまるで違う。一つ一つの発音は明瞭でどっしり重心が低い。
ブラームスの第1番を聴いているよう。
バーンスタインのような溌剌さはなく真面目でもっさり。
しかしなぜか厭味でないのはウィーンの音、しかもこの録音の適切さが影響している。
特にフレーズの終りでっすっーと延ばされる弦の音は気持ちが良い。
終結にかけて金管が重なりあうハーモニーの素晴らしさ。
第2楽章もいきなりオーボエとチェロのソロの掛け合いが何とも滋味。
そのあとのこぼれるようなヴァイオリン独奏ゆったりとした慰め!!
この演奏の素晴らしさともかくだまされたと思ってこの楽章を聴いてほしい。
第3楽章は両端はいかついが中間部はなで肩だ。
終楽章の序奏はまた古楽、室内楽的であり印象的。終楽章は相変わらず落ち着いている。
提示部反復省略。丁寧に朴訥に音を紡いでいく。ホルンの力強い吹奏などもあるが、
音楽がきめ細かに分離しハイドンに通じるような見通しのよさを
獲得しているのも独特である。7:39からのコーダでは中央のコントラバスから
始まり右のチェロ、左のヴァイオリンに回る弦の遁走が明瞭にとらえられている。
何とも味のある充実した一枚。個人的に好きなのでS。

12:16  5:33  5:50  8:09   計 31:48
演奏  好みS   録音 93点

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