クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

クラシック音楽のCDを中心に演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

R・シュトラウス アルプス交響曲 ヤルヴィ(87)

2010.01.25 (Mon)
ヤルヴィアルプス
ヤルヴィ/スコッティシュナショナル管弦楽団(87、CHANDOS)は全集魔ヤルヴィが
R・シュトラウスに取り組んでいたころの一枚。この人は録音職人で水準は高いが
この人でなければ、と思わせるものが少ないのが特色。
ということでそこそこの期待感で聞いたが予想は裏切られた。
良いではないか。
録音はCairdHallで適切なスケール感と明晰さを兼ね備え良好。
カズンズ兄弟による録音の魔術が含まれているかもしれない。
演奏は小さなことに拘泥しないたくましくダイナミックなもの。
オケのレヴェルも十分で金管など輝きのあるフォルテを放つ。
テンポは基本的にインテンポで緩まない。
「氷河」から「危険な瞬間」「頂上」もダイナミックで率直な表現を
基本としながらも結構感動的だ。この局面での空間に響くオーボエやびりびり響く
トロンボーンは良い感じ。ヤルヴィの巧さが出ている。
「エレジー」からの寂しげな歌も空間にこだまして虚無的な雰囲気を演出。
ところで、このCDには「嵐の前の静けさ」(トラック17)の2:06から5秒間
の無音部分がある。ちょうど嵐の来る前の緊迫した空気が流れクラリネットが
しゃくりあげた後のこの5秒は編集のミスかもしれない。
しかしこれが異常な緊張状態を聴き手に迫ることになった。
「どうしたんだ?」「何が起こったんだ!」。
以前「007」の映画製作者がボンドがスキーを履いたまま2000メートル級の
山の崖から飛び降りる瞬間で、音を切ってあえて無音状態にすることによって
スリルを高めたと語っていたがここで実は似たような現象が期せずして起こっている。
これがヤルヴィの指示で演奏が止まっているとしたならばすごい演出である。
ということで続く「嵐」は壮絶だ。
金管の咆哮はブラインドではこのオケとは想像できないだろう。風圧を感じる。
「日没」は神々しく輝く。
一発録りでないから当たり前かもしれないがオケの体力は万全
(この録音は86年12月から87年1月にかけて行われている)。
「終結」は深いオルガンを伴いながらも木管は清々と歌う。
職人ヤルヴィにしてはしっかり歌っており感動的。

計 49:24
演奏   A+   録音 92点

コメント

メータとヤルヴィ父と悩んでいたのですが記事参考にさせて頂き、元々ヤルヴィ父贔屓なのでこちらを購入。で聞いたらドンピシャでした。気持ちよく音楽に浸れます。無音時間も良いですね。(波形みたら完全無音ではなかったのでヤルヴィ父演出と思いたいです)
良い演奏と出会えて嬉しくてお礼書きたかったので、何度もスミマセン。

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