クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

クラシック音楽のCDを中心に演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

シューマン 交響曲第3番 ジュリーニ(80)

2010.01.19 (Tue)
ジュリーニライン
ジュリーニ/ロサンゼルスPO(80、DG)は世評の高い演奏で確かに立派だと思うが、
個人的にはジュリーニのこのころ以降の粘着質が今ひとつ合わない。
ロスフィルの明るい音色が救いだ。
「ライン」は58年のEMI盤に次ぐ二回目の録音だが、EMI盤に軍配を上げたい。
なお、ジュリーニはマーラー版を参照している。
録音はこの時代の平均的なもの。ホールトーンもしっかりでスケール感を獲得。
第1楽章の主題はジュリーニらしく粘り歌われる。テンポはゆったりで広々としており、
時に浮き彫りになる金管の活躍などがありヒロイックでもある。
各フレーズは丹念に歌われるが、柔な感じでなく相当な強い粘り腰である。
10分半もかけて独自の表情をつけての演奏は潔い爽やかさとは対極のジュリーニの世界。
第2楽章も丁寧で堂々としている。
第3楽章は叙情性が際立つ。
第4楽章は苦しいくらいの凝縮と昇華の世界。金管の深い持続音とホールトーンが
相まって大聖堂を彷彿とさせる。終結部の持って回ったドラマティックな表情付けは必要か?
終楽章は前楽章で背負った苦悩を解決しなければならない。
トロリと意表をつくテヌートで始まり活力を徐々に増すが歯切れは良くない。
時に音を伸ばして協調させる手法をとる。こうした作りが私にはやや浅薄に感じられる。
積極的な表情付けが好きな私からすれば好感を持っても良いのだが、これはもう生理的に
合う合わないとしか言いようがない。終結部は一気呵成に駆け抜けここは気持ちよい。

10:38  6:26  5:29  5:30  5:49   計 33:52
演奏  粘   録音 89点

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