クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

クラシック音楽のCDを中心に演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

サン=サーンス 交響曲第3番 ボド(83)

2009.10.13 (Tue)
ボドオルガン    ベーズリーアビー修道院⇒ Paisley_abbey.jpg
ボド/ロンドンフィル(83,EMI)は有名ではないがこれは大人の名盤だ。
オケ、オルガンともに品があり雰囲気が抜群。
録音はオケが82年ワトフォードタウンホール、オルガンが83年にペーズリー・アビー修道院。
音場、レンジ感など派手さはないがこの曲の再現として的確。
包み込むオルガンの音のよさは筆頭格。
第1楽章はひんやりした感触で非常に安定的な音楽。落ち着いた呼吸感で音楽が美しい。
フォルテの部分では粗くならない範囲でロンドンの金管が盛り上がる。
第2楽章は大きな休止を置いて始まるがこのオルガンがほんとに素晴らしい。
少しくすんだ音色ながらハーモニーの美しさと包容力ある低音が絶妙。
わざわざ、スコットランドで最高峰のオルガンを用いた成果が出ている。
オーケストラも切なく美しい音で微妙な表情をつけながら雰囲気を盛り上げる。
このデリケートな味わいはなかなかない。ぞくぞくする。
第3楽章はオケがうまいのでプレストの中に余裕ある表現を織り込み展開。
金管・木管などが万華鏡のようにキラキラ光り、シルクの弦がフォローする。
終楽章でいつもハラハラするのが冒頭のオルガン。今までいい演奏していたのに
突然絶叫してしまう演奏もあるがこの演奏が今までの雰囲気を壊すことがない。
演奏者もミキシング・プロデューサーもセンスが良い。
それにしてもこのオルガンの低音が凄い。オルガンはでしゃばらないが、
オルガンがなくなると急に空気が変わることでオルガンの存在感が逆に目立つ。
この終楽章は、勢いに任せて突進する演奏と異なり、落ち着いたテンポで美しい音の
綾を楽しむことが出来る。これは珍しいことだ。
セルジュ・ボド、録音は多くないが秘めた情熱と高い音楽性を感じる指揮者。
終結はまずオルガンが重低音を響かせた後、オケがそれに加わり併走して壮麗なエンディング。
激しさとかでは他に盤があるが、心を揺さぶる演奏という意味では最右翼。
この曲をかなり聴いてきた方に是非聴いてほしい。

10:24  10:06  7:28  8:36   計 36:34
演奏 S   録音 91点

コメント

半信半疑で聴いてビックリしました。これまでカラヤンやミュンシュ等を聴いていましたが、このオルガンの上品さにはまいりました。ボドと言う名前で、通常は買わないのですが、こういう名盤があるんですね。感動しました!
クラシック初心者+α様
お便りありがとうございます。
そうですか、ボドを聴かれましたか?
無名の演奏の中にも宝石がありますね。
自分の感性に合う演奏と巡り合うと嬉しくなります。


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