2022.06.28 (Tue)

カラヤン/ウィーンフィル(61、DECCA)は薫り立つ。
カラヤン(1908~89)は1959~64年にかけてDECCAの名プロヂューサー、
ジョン・カルショウと組んで14枚のLPを作った。
カラヤンがベルリンとウィーンを手中に収めていた絶頂期の記録。

このシリーズは日本で1973年頃廉価盤LPとして再発売され爆発的に
売れたと記憶する。

本盤はそのうちの一枚(「くるみ割り人形」との併録)。
演奏されているのは以下の6曲。
1. 朝
2. オーゼの死
3. アニトラの踊り
4. 山の魔王の宮殿にて
5. イングリッドの嘆き
6. ソルヴェイグの歌
カラヤンの「ペール・ギュント」は後のBPOとのものも聴かせ上手だが、
ここではそれに加えウィーンフィルの魅力が全開。
「朝」では当時のこのオケの木管の音が味わえる。
「山の魔王の宮殿にて」などは泥んこ状態で盛り上がる。
当時のウィーンフィルは素朴な音を出す。
「ソルヴェイグの歌」は白眉。この曲だけでみると聴いた中で
この演奏が一番魅力的ではないかと思う。
とにかく弦の表情に甘さと切なさがある。
ポルタメント一歩手前の独特な節回しは、カラヤンの指示なのか
往時のウィーンの持ち味なのか。儚いその音は夢見るようだ。

録音はウィーン、ゾフィエンザールでのセッション。
鮮度はさすがに最新録音に劣るがこのシリーズの中でも音は良いと思う。
4:00 4:45 3:33 2:27 4:20 5:37 計 24:42
演奏 A+ 録音 87点
ただ、それを上回る何ともいえない音色の魅力があります。ウイーン・フィルはやはり劇音楽をやると本領を発揮するのかなーと思ったりします。
それだけに、「アラビアの踊り」や「ペール・ギュントの帰郷」もカラヤン&ウィーン・フィルで聞いてみたかったkなーと思います。