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クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

クラシック音楽のCDを中心に演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

ドヴォルザーク チェロ協奏曲 フルニエ(62)

2019.03.18 (Mon)
Great Concertos
フルニエ(Vc)/シェルヘン/スイス・イタリア語放送管弦楽団(62、aura)は
髪振り乱す貴公子。汗が飛び散る。

フルニエ/セル盤(61)では「正調規範」と書いたが、
ここでは打って変ってチェロの物凄い唸りが聞こえる。
同じ人でもライブとセッションではこうも違うのか。

フランス人チェリストのフルニエ(1906~1986年)は
Pierre_Fournier.jpg
『気品のある容貌と格調の高い表現、優雅で洗練された演奏で
「チェロの貴公子」と呼ばれた』とwikiに書いてあるが
ここではそうした評をかなぐり捨てている。
多分その要因はドイツ人指揮者ヘルマン・シェルヘン(1891~1966年)にある。
シェルヘン
第1楽章冒頭でオケを追い込むように音を轟かせる。
ティンパニのロールが地鳴りのよう。
追いつめられたチェロは燃え上がらざるを得ない。
チェロはいきなり切り込み隊長。馬に乗って疾走する白馬童子のよう(古!)。
白馬童子
とにかく前に前にチェロが進む。
こうなるとオケが引っ張られる。終結は手に汗握る。
オケがバンバカ大砲を鳴らすと思わず聴衆から拍手。
第2楽章も最初は落ち着いた表情で艶やかなのだが
次第にフルニエが上気してくる。感情の昂ぶりはテンポの前傾に現れる。
終楽章はオケがドンドコ紋切り型にけしかける。
またもやチェロは負けじと激しいアタック。しかし単調ではない。
感傷的な場面ではしっかりテンポを落としてチェロの凛とした美音を聴かせる。
最後はお祭りで拍手喝さい。

オケは巧い下手はともかく素朴で逞しい。
Orchestra di fiati della Svizzera italiana
録音はルガーノでのライブ。
スイス・イタリア語放送のラジオ放送用音源か?
ステレオ期だがモノラル録音ながら聴きやすい。
(幾種類かの盤がでているが当方保有は写真のドキュメントの10枚組)

14:22  11:33  12:08   録音  38:03
演奏   汗A+   録音80 点

コメント

安曇野様、こんにちは。いつも拝読しています。

このフルニエ(Vc)/シェルヘン盤、聴いてみたいですね。「馬に乗って疾走する白馬童子」や「オケがバンバカ大砲を鳴らすと思わず聴衆から拍手」といった表現がとってもユニークで、惹かれます。ふと、淀川長治の名画解説を思い出しました。残念ながら、白馬童子は知らないのですが(笑)。

先日のカプソン(Vc)/P.ヤルヴィも絶対に聴いてみたいですね。探してみます。

これからも、色々な盤の紹介を楽しみにしています。
No title
カズヒロ様
コメントありがとうございます((^_^;)
読み返すと自分の文才のなさに
残念な気持ちになりますが
これからもよろしくお付き合いください。

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