クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

ストラヴィンスキー ペトルーシュカ クレンペラー(67)

2008.02.16 (Sat)
クレンペラー/ニューフィルハーモニアO(67)は不思議で独特な印象残す強烈な演奏(1947版)。
クレンペラーのストラヴィンスキーは珍しいがクレンペラー自身は
現代音楽に親和性がありこの曲の録音を強くEMIに主張したとのこと。
しかし、出来上がった録音の聞いたプロデューサーがとても商品化できないと
判断し30年以上お蔵入りになった代物。
録音はアビーロードスタジオで乾いた艶のないものながら
クレンペラーの録音の中では新しいこともあり、クリアでよい。

第1場は出だしから非常に変。ギッコンバッタンである。速さは遅い。
一部ではアンサンブルの乱れもあり指揮がうまくいっていないのではないかと想像される。
ただそれだけではない。なんでこんな音がするのか。
他の演奏とは隔絶した独自の世界、クレンペラーの世界が出現している。
リズムが四角く重い。各音が並置される。
流麗とは程遠くメロディも細分化されブロックに組替えられる。
第3場のつなぎのタンブリンも単なるロールでなく弾むようなアクセントがつけられるなど
スコアにない味付けも満載。
きらびやかさはなく引きづるような進行がどんよりと曇った色彩感をもたらす。
「ノーテンキでカラフルなペトルーシュカは偽者だ、
こちらがペトルーシュカの真の姿だ」というような確信犯的演奏。
特徴的な場面をあげていくととにかく全編なので書ききれない。
全曲38分だから平均的な演奏に比べ4分ほど長い。遅い。
しかし特徴はテンポでない。演奏内容が決定的に違う。
クレンペラーの演奏を愛好している人ならこの指揮者のエッセンスが
詰まっているといったらわかるのではないか。
彼の音構造の組み立てが最もよくわかる演奏かもしれない。
爆演というのははばかられる。
孤高の独自性を有するので評価は「独」。
なお、各所で指摘されているが「御者の踊り」の終わり近く、
オケが全奏で巨大なリズムを刻む場面~ここは個人的に大好きなところ~では
10小節以上のカットがあるのは痛い。
クレンペラーの遅さでこの単純なリズムを刻み続けるのは
冗長になると判断したのだろうが、この麻薬的リズムを続けて欲しかった。

1947年版 
10:44  4:26  7:48  15:09   計 38:07
演奏  独  録音 87点



コメント

ありがとうございます。
 クレンペラーの演奏を買うことに決めました。安曇野さんが、「ちょっと考える演奏」というだけで、興味があります。購入手続き中。
御礼
ご丁寧にありがとうございます。
クレンペラーお聴きになりましたら
是非感想をお聞かせください
私はクレンペラーが好きですが
そうでなくても一聴の価値はあると思います。
管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
おおっと、入力間違い
 どうやら「秘密」を押してしまったようです。すいません。
 2月22日の記載内容の再現はできませんが、この「ペトルーシュカ」で感じたことです。ソビエトは存在しませんが、経済を考える上ではマルクス主義は必要です。右か左は別として「極端な演奏」というには「軸」を考えるのに重要と思います。この意味でクレンペラーはフルヴェンをして「ベト5の3連符をそろえやがって」と言わせた人物。(「幻想」「新世界」を聞いてみましょう。定盤中の定盤ですね。)クラシック界のマルクスを自認するクレンペラーのペトルーシュカですから、「聞かず死ねるか!!」の世界でした。安曇野さま、ありがとうございました。

管理者のみに表示

トラックバック