クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

クラシック音楽のCDを中心に演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

ベートーヴェン ヴァイオリン協奏曲 オイストラフ(58)

2017.07.30 (Sun)
オイストラフ
オイストラフ(Vn)/クリュイタンス/フランス国立放送管弦楽団(58、EMI)は
大河の如く。全曲45分以上かけて大らかなタッチ。

ダヴィッド・オイストラフ(1908~74)はウクライナ出身の高名なヴァイオリニスト。
この人のイメージは見た目も含め「豊麗・豊饒」ということだろうか。
しかし古いソ連時代の自国作品の録音を聴くと激しく迫るものもあり
西側に出てきた時のイメージと異なるものもある。

この録音は50歳を迎えた彼が唯一クリュイタンス(1905~67)と
パリで協演した録音(演奏会の後収録)。
今の水準からするとテクニシャンという感じは無く、
ゆったり悠然とヴィブラートを駆使しながら大きな歌を歌う感じ。
時代を感じる様式だが、とにかく千変万化する表情には魅せられる。
この曲を弾きこんだ彼の歴史を感じさせる余裕だ。

ただ、オイストラフのこの曲では複数記録が残っており1965年の
コンドラシン/モスクワフィルとのものなどはもっとテンポが速く攻めている。
全ての彼の録音を聴いたわけではないが
少なくとも技術という面ではより洗練されたものがある。
とはいえ、豊饒オイストラフのイメージという点ではこの盤は合致している。

なお、カデンツァはクライスラーのものを使っているが、
これはオイストラフの美質を考えれば納得。

クリュイタンスのバックはソロをたて優美。
オイストラフクリュイタンス

録音はパリの体育館サルワグラムでのセッション。
ソロにフォーカスされ、オケは奥で拡散気味。
当時の協奏曲録音の典型か。しかし全体としてはリマスターよく、
この時代の録音としては聴きやすい。この会場の乾いた感も少ない。

25:26  9:45  10:25   計 45:36
演奏   A   録音  84点

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