クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

クラシック音楽のCDを中心に演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

ベートーヴェン ヴァイオリン協奏曲 ズスケ(87)

2017.07.27 (Thu)
ズスケ
ズスケ(Vn)/マズア/ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団(87、DS)は
清らか。心が洗われる。

ベートーヴェンってこんなに癒す曲を書いた人だっけと思ってしまう。
厳しさが足りないと言われそうだが、いつも鞭打たれていては人間持たない。
この癖のない凛とした音をきけば、作曲者も感涙ではないか。
ズスケ(1934~)は自己顕示しない美音で、
オケは落ち着いた包容力でベートーヴェンの束の間の春を感じさせる。

第1楽章冒頭の弦に乗る木管の音に痺れる。ゆったり気品のある進行。
そしてヴァイオリンがそっと入る。
ズスケは当時このオケのコンマスだったのだからこの同調感は納得。
協奏曲としてはあまりにオケと独奏が同方向すぎるかもしれない。
しかし、聴いていて実に心地がいい。
カデンツァはクライスラー。こんな端正で地味なクライスラーも珍しい。
「もっと見て見て」というのがクライスラーのイメージだが
ここではそんなことが一切ない。

第2楽章は優美の極み。
午睡したくなる。オケの弦の持続音に乗って独奏が歌うのが天国的。

第3楽章もこれまでの流れを引き継ぐ。
はしゃいで飛び跳ねるようなことではなくどこかつつましく控えめな表現。
いじらしいまで。
マズアの指揮も違和感なく、時にごりっとした低弦がいかにもこのオケだ。
1984_Masur_Suske_20170726223107717.jpg

録音は1981年にできた新ゲヴァントハウスでのセッション。
Leipzig,__Neues_Gewandhaus_,_Konzert
コンヴィチュニー時代のそれとは違う六角形。
演奏会では聴く場所によって音響が変化するかもしれないが
これはセッション。比較的広い音場。伸びやか。
オケ・独奏ともに距離感はあるが焦点はぼけておらず清涼感ある音。

24:42  9:40  11:09   計 45:31
演奏   A+    録音  93点

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