クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

クラシック音楽のCDを中心に演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

ベートーヴェン ピアノ協奏曲第1番 バレンボイム(68)

2017.06.18 (Sun)
klemperer barenboim beethoven
バレンボイム(p)/クレンペラー/ニューフィルハーモニア管弦楽団(67.EMI)は
指揮者の演奏。
クレンペラー(1885~1973)82歳とバレンボイム(1942~)25歳の協演。
もうこれだけで勝負あった。
まずテンポが若者ののそれではない。バレンボイムはそれについていく。
また、ピアノ自体もポツリ系でクレンペラーが弾いているよう。
これ以降バレンボイムはこの曲を自分で弾き振りをしていく。
後年の録音は本盤とはずいぶん印象が違う。
ただし、カデンツァだけはこの時から自身で創作して意地を見せる。
(↓録音時既に指揮活動を行っていたバレンボイム)
バレンボイムとデュプレ

そもそもこのベートーヴェン全集はクレンペラーとフィルクスニーという
老大家同志で録音される予定だったが両者の健康面で問題が発生し、
当時新進気鋭のバレンボイムにおはちが回ってきたという。
クレンペラーはバレンボイムを高く評価していたが
結局はこの若者に主導権を渡さなかった。

第1楽章序奏の重く無骨な響きはまさにクレンペラー。
ピアノが入るまでにこの楽章の進め方は決まっている。
速く走りたいのを抑えてバレンボイムが入ってくる。
後年の流暢で抑揚の大きなバレンボイムとは違う。
13:54から15:48まで自作カデンツァ。
ベートーヴェンの作曲した長いカデンツァを半分に圧縮するが、
如何にもベートヴェンっぽい違和感の無いもの。

第2楽章も歩みは遅く鬱蒼としている。
表面上の美音が続くのとは違う音楽が流れる。
抑制された表情は渋い。

第3楽章はドイツ対ラテン。
オケは相変わらず正調なのだがピアノが目覚めていきいき。
ティコティコの場面など積極的。異質な文化の衝突が面白い。
(なお、カデンツァ終結7:05で明らかにテープを繋いだ跡)
とはいえ全体は若書きうきうき「第1番」としてははかなり異質な演奏となった。

録音はアビーロードスタジオでのセッション。
一聴しただけでこことわかる、ナローレンジで伸びの無い地味な音質。
オケの対向配置は分かる。
ピアノの音は必ずしも美しく録れているとは言えない。音の潰れなどは無い。

16:15  13:13  9:18   計 38:46
演奏   A-   録音  86点

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