クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

プロコフィエフ ピアノ協奏曲第2番 トラーゼ(95)

2017.05.22 (Mon)
トラーゼ全集
トラーゼ(p)/ゲルギエフ/マリンスキー劇場管弦楽団(95、philips)は思いが重い。
トラーゼ(1952~)はこの第2番に特別な感情移入。
全集の最初に録音しこの第2番だけライナーノートを書いている。
この曲は作曲時に親友の自殺や自筆譜の焼失による10年後の再記譜などの
経緯があったが、トラーゼは親友の件をこの曲の解釈の主軸にする。

第1楽章は苦悶の日々
第2楽章は現世から逃避
第3楽章は現実回帰と直面
終楽章は混乱と浄化

と要約できようか。
このストーリーで聴いてみると確かにそのように演奏している。
自殺する人間の心象風景であり、内奧の葛藤やドロドロが噴き出す。
このため全体のテンポはじっくりで重く覆いかぶさる。
モダニズムを前面に出したベロフ盤より7分も長い。

但し、この演奏は非常に迫り狂うものがあり第3楽章あたりまで
進むと息苦しさを覚える。
この曲の新解釈ともいえるが真剣に向き合うと疲れる。
ゲルギエフも完全にトラーゼを尊重している。

録音はフィンランドのミッケリ・コンサートホールでのセッション。
ここはヘルシンキの北西210キロの小さな町でサイマー湖岸にある。
mikkeili hall
ここでゲルギエフ音楽祭が毎年7月行われていて
本録音はそれに並行して95年から3年に亘り収録。
旧フィリップスらしい量感のある音で安定感がありバランスが良い。
それにしてこんな美しい場所でこのような重い演奏が収録されたとは。

13:19  2:17  7:31  12:57   計 36:04
演奏   鬱    録音  94点

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