クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

プロコフィエフ ピアノ協奏曲第2番 リ(2007)

2017.05.18 (Thu)
ユンディ・リプロコ2
リ(p)/小澤/ベルリンフィル(2007、DG)は思いの詰まった演奏。
ベルリン・フィルの定期演奏会デビューに24歳のピアニストは
この曲を引っ提げてきた。その時の記録が本盤。

『ラフマニノフの第3番もホロヴィッツが弾くまで真価が知られていませんでした。
プロコフィエフの第2番も誰かが率先して弾かなければだめだと思います。
だからレコード会社にもこの曲を録音したいと頼んだのです。』と若者は語る。

果たして、彼の言うとおり素晴らしい曲だと認識させる出来。
ユンディ・リ(李雲迪, 1982年~ )中国・重慶生まれのピアニスト。
『2000年、ワルシャワで開かれた第14回ショパン国際ピアノコンクールで、
スタニスラフ・ブーニン以来15年ぶりに第1位での優勝を果たし、
一躍注目を浴びる。ショパン・コンクールでの優勝は中国人では初である。』

2017直木賞&本屋大賞の『蜜蜂と遠雷』では最近のピアノコンクールでの
中国と韓国勢の台頭も描いている。この本の記述で中国のピアニストに
ついてなるほどと思う個所があったので引用させていただく(本書132頁)。
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『中国勢は大陸的というのかスコンと抜けた大きさがある。
(中略)羨ましいのは中国のコンテスタントから受けるゆるぎない自己肯定感である。
あれは日本人にはなかなか持ちえないものだ。(中略)
「自分らしさ」は様々な葛藤の上に手に入れるものであるのに
彼らは最初から当たり前のように持っているのは
中華思想と一党独裁制のせいかしらん、などと考えてしまう』

演奏は
第1楽章の出だしからピアノのタッチがニュアンスに富んでいる。
ピアニストがこの曲を愛し丁寧に丁寧に弾いている思いが伝わる。
ひんやり感よりもっとロマンティックな温かみ。
聴かせる。
決してテンポは遅くないのにいっぱい盛り込まれている。
展開部は殆どピアノ独奏というこの楽章で彼のピアノは千変万化。
最後は鬼気迫る。

第2楽章は保有盤最速でぶっ飛ばす。これには舌を巻く。

第3楽章も速いテンポで押し切る。
オケに重量感があるので飛び跳ねる音塊が威嚇的。

終楽章のプレストだが考え抜かれてる。一音として流して流していないと。
この速いテンポでよくぞここまで。
そしてやはり小澤率いるベルリンフィルが繊細かつ豪快。
ベルリンの聴衆にとっても馴染のない曲だが
終了後あっけにとられた一呼吸があってから盛大なブラヴォーが起こる。
ユンディ小澤
録音はベルリン・フィルハーモニーでのライブ。
最初からCD化が前提とされていたこともあり万全の音。
ちゃんと拍手まで収録されていて会場の雰囲気が伝わる。

11:12  2:17  5:41  11:03   計 30:13
演奏   S   録音  95点

コメント

No title
おっと、プロコの2番ですね。結構日陰の曲なので、取り上げていただいてうれしいです。ユンディ・リがそんなことを発言していたとは知りませんでした。でもどれだけの演奏であると思います。豪演と思います。私は、レーゼル(ピアノ)ボンガルツ(指揮)ライプツィヒ放送交響楽団1969年でこの曲にはまりした。ベロフ/マズアはちょっと苦手です。ブラウニング/ラインスドルフに興味を持ちました。
レーゼル?
レーゼルにプロコフィエフがあるとは
知りませんでした。意外!
興味がありますね。
機会があれば聴いてみます。
情報ありがとうございます。

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