クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

クラシック音楽のCDを中心に演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

ベートーヴェン 交響曲第7番 スクロヴァチェフスキー(2006)

2017.04.11 (Tue)
スクロヴァチェフスキー78
スクロヴァチェフスキー/ザールブリュッケン放送交響楽団(2006、OEHMS)は
スッキリくっきり目が覚めるよう。指揮者は高齢だが新時代の演奏様式。

スタニスワフ・スクロヴァチェフスキ(Stanisław Skrowaczewski, 1923~2017年)は
2月21日に93歳で亡くなった。
この録音は80歳過ぎ、読売日響の常任になる前年のもの。
『楽譜に書かれた全ての音は聴こえなくてはならない』というこの指揮者の身上が
透徹される。とにかく意欲的なこの演奏は全く老いておらず新鮮。
その意味ではカラヤン以上かもしれない。

またこれを聴くとのベートヴェン演奏の変遷を感じさせる。
私的にざっくり分類すると、

①モダンオケ+ロマン派巨大型(20世紀の大半はこれ:フルヴェンからカラヤン)
②古楽器オケ+ピリオド奏法型(1980年頃~:ガーディナー、ノリントン旧盤などから)
③モダンオケ+ピリオド奏法型(1990年頃~:マッケラス・ジンマンなどから)
④モダンオケ+新古典型(1990年ごろから)

近時CDなどでは②③が主流だが、
一般のコンサート会場では④が多いのではないか(あくまで感覚)。
また、③④はそれほど明確な差は無い。ラトルなど③なのか④なのか。

この演奏は④タイプの一つの究極。
響きは透明で引き締まり、テンポは快速。
しかしフルオケを使いスケール感はあるし、
ピリオド奏法は感じられずスッキリ系ヴィブラート採用。
速い中にも多彩な表現も盛り込みロマン派演奏の流れも汲む。

全体は常に勢いに満ちるが曖昧に流す場面がまるでない。
各楽器の各フレーズに指示が出ている。
終楽章は予想外なほど白熱。徐々にテンポを上げるのでなく5分過ぎ
コーダに入るとギアがカクンと一つ上がる。
整然としたオケがこれほど突っ走る様は
このコンビのブルックナーでは全く見られなかった。

録音はザールブリュッケン・コングレスザールで。
congresshalle.jpg
12-CongresshalleSaarbrücken
ライブ表記も拍手もないがヘッドホンで聴くと聴衆がいる気配も感じる。
マス的収録だが透明度が高く分離も相応。
一方スケール感あるホールトーンも感じさせる。

13:40  7:53  9:21  8:33   計  39:27
演奏   A+    録音 93点

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