クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

クラシック音楽のCDを中心に演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

ベートーヴェン 交響曲第8番 シャイー(2009)

2017.03.13 (Mon)
シャイー78
シャイー/ゲヴァントハウス管弦楽団(2009、DECCA)は表現主義的無窮動。
ピリオド奏法を持ちこんだモダンオケによる演奏。
だがそれよりもデュナミーク振幅の異様さと目まぐるさが際立つ。
それを面白いとみるか邪道と見るか。私は愉しんだ。
だがいつも聴きたい演奏になるかは分からない。

ベートーヴェンがこの曲に託した仕掛けをアンプリファイアする。
アップテンポかつスフォルツァンドの極大化でグロテスクともいえる再現。
反復実行しながら22分半ばで通り過ぎるこの演奏。
この半世紀でベートーヴェンの交響曲の中で
一番演奏スタイルが変わった曲ではないだろうか?

冒頭のダッシュから骨がぶつかりあうような音。
金管が入ると特に軋みながらオケが悲鳴を上げる。
容赦ない鞭がバシバシ入る。

第2楽章も強弱の落差が激しく疾風怒濤感がある。

第3楽章も長閑な郵便馬車のラッパ感は無い。

終楽章など音価がばさばさ切り詰められヴォルテージは極限状態。
ちょっと狂気の沙汰。
第8番は第1楽章から終結まで音楽が絶えず躍動しているが
それを突き詰めてしまった。
聴き終わると嵐が過ぎ去ったあとの呆然とした気分になる。

録音はゲヴァントハウスでのセッション。
Leipzig-Gewandhaus-concerthall.jpg
音はオンで捉えられておりかなり鋭角だが、
最後はこの会場の響きに救済される。

8:12 3:42 4:16 6:15 計  22:25
演奏   A+?     録音 94点

コメント

ゲヴァントハウス管弦楽団
ジンマン盤と比べるとオケの差が歴然ですね。
高速テンポでも音楽が軽薄化しないのはオケの性能によるものでしょう。
底光りするような低減が魅力的・・・

シャイーと同オケのCDではブラームスの交響曲全集がさらにすばらしいです。
おかげで同オケに関心が持てるようになりました。
ゲヴァントハウス
コンヴィチュニーのころのゲヴァントハウスとイメージがかなり違いますね。
機動力を獲得して素晴らしいオケだと思います。
No title
はじめまして。
いつも楽しく拝見しております。

シャイーのベートーヴェンは全体的に攻撃的かつ意欲的でありながら、オケの音色も個性的で、とても好きです。
ただ、それぞれの曲によって演奏の方向性を変えているような印象があります。
個人的には、その中でも特に直球勝負な演奏をしている(と思う)4番や5番、6番、9番などが優れていると思うのですが、安曇野様はどう思われますか?
私の身近にはクラシック音楽の愛好家が一人もいないので、他所様の意見もお伺いしたいなぁ、と思いましてコメントいたしました。
No title
高千穂さま
ありがとうございます。
シャイー/ゲヴァントハウスは好きです。
彼らのメンデルスゾーンでそれが決定的になりました。
シャイーの表現は小手先でない本気を感じます。
個別の曲の感想は追々書かせていただきますね。
No title
安曇野さま

拙文に御丁寧なコメントをいただきまして、ありがとうございます。
シャイー&LGOのメンデルスゾーンは、ロマン派に特有の粘着質な感じが希薄なため、私も大好きです。

これからも安曇野さまのレビューを楽しみにしています。
今は季節の変わり目ですので、体調にはくれぐれもお気をつけてくださいね。
No title
高千穂様
確かにこのコンビ凝縮された木質の音が素敵ですよね。
あと、お気遣いの言葉深謝です。

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