クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

クラシック音楽のCDを中心に演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

ベートーヴェン 交響曲第8番 テンシュテット(86)

2017.03.08 (Wed)
テンシュテット68
テンシュテット/ロンドンフィル(86、EMI)は爆演ではなく穏当。
特色に乏しいともいえる。

クラウス・テンシュテット(1926~86)は旧東ドイツ出身だったが
正規にはベートーヴェンの交響曲全集は録音していない。

このCDの解説には高名な評論家が第1楽章のこの演奏を評し
『ワインガルトナー~イッセルシュタットの系譜につながる演奏なのだ。
その反対がトスカニーニやワルターのスタイルで、
頂点にクナッパーツブッシュが存在する。』
と説明されている。たぶん今時の青少年にはさっぱりわからない
だろう解説(かくいう私もわからない)。

ただ面白いことが書いてあった。
『ベートーヴェンの交響曲でフォルテを三つつけたのは「第8」だけであり、
「第7」や「第9」でさえffどまりである。』
これは知らなかった。
第1楽章のスコアを見ると再現部349小節目(この演奏では9:05)で
確かに貴重なフォルティシシモが出現していた。

だからと言ってテンシュテットはそれを大げさに表現しない。
私が聴く限りこの演奏は中庸なテンポで極端な表情はなく、
「爆演」指揮者と呼ばれることもあったその片鱗は全くない。

録音はアビーロードスタジオ第1でのセッション。
アビーロード1
テンシュテットは録音に恵まれなかった可哀そうな指揮者。
EMIがLPOを自社のスタジオに呼んで大編成ものをひたすら録音し続けた。
ここでの彼らの録音の大半は高弦が汚れ低域の量感のない平板な音。
しかもこの指揮者があまりアンサンブルに
注意を払わなかったため余計に濁った感じになる。

9:35  3:33  5:34  7:13   計 25:55
演奏   A-    録音  87点

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