クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

クラシック音楽のCDを中心に演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

ブラームス ピアノ四重奏曲第1番(シェーンベルク編) クレンペラー(38)

2017.02.17 (Fri)
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クレンペラー/ロサンジェルス・フィル(38、MEMORIES)は歴史的初演記録。
クレンペラー(1885~1973年)はユダヤ系ドイツ人であったため、
ナチス・ドイツを逃れて1933年(48歳)にアメリカに亡命する。
ここでロス・フィルの音楽監督の職を得て活躍する。

時を同じくして亡命してきたユダヤ人のシェーンベルク(1874~1951年)に
この曲の編曲を依頼した(1937年)。
初演は翌年1938年になされその時の記録が本盤。

シェーンベルクの主要曲は亡命前に出来上がっており、
この時期は作曲というよりUCLAなどで教育活動が中心だった。
12音技法にのめり込む前に傾倒していたブラームスの作品を
扱うとあって編曲に前向きだったことが伝えられる。

さてこの演奏、貧しい音の向こうで聞こえてくる音楽は実に颯爽としている。
50代のクレンペラーの健康で率直な音楽づくりに感心する。
テンポはどの演奏より速いが寂しさを湛えながら走る。
この曲は初演の時から名演だったのが分かる。

しかし、この初演の翌年1939年に脳腫瘍に倒れたクレンペラーは、
言語障害や身体の麻痺といった後遺症との戦いを余儀なくされ、
このオケの音楽監督の座も失うことになる。
この病をきっかけに元来患っていた躁鬱病も悪化、奇行が目立つようになり、
以後アメリカでのキャリアは完全に断たれる。
10年間の不遇の時を経て1950年代になって復活を果たし
VOX・EMIにも多数の録音を残した。

大男・奇人変人・色情狂の名をほしいままにしたクレンペラー。
この編曲を依頼したことは彼の功績だ。
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録音はロスでの初演ライブ。
SPからの復刻でスクラッチノイズと音の脱落があり一般の鑑賞には適さない。

12:02  8:35  9:12  7:22   計 37:11(一部脱落あり)
演奏   颯   録音  55点

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