クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

ブラームス ピアノ四重奏曲第1番(シェーンベルク編) N・ヤルヴィ(89)

2017.02.13 (Mon)
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N・ヤルヴィ/ロンドン交響楽団(89、Chandos)は最高傑作。楽しい+感動。
ヤルヴィ(パパ)は時として職人的に音楽づくりをしてさっぱりしてしまうのだが、
この演奏は違う。魂のこもった力演だ。
yarviパパ
ロマンティックなのだが射し込む近代兵器の違和感が実に面白い。
ブラームス+シェーンベルクの音楽が人を感動させる不思議な体験。

第1楽章は儚い決意が連続する。15分かけるが、集中力は実に素晴らしい。
表面を綺麗になぞっただけの音楽ではなく悶え煌めきなどがないまぜに。
表情の彫りは深くシェーンベルクがピアノから弦主体に移行したメロディの
歌わせ方が心に迫る。プレーズごとに間をとり心を落ち着かせて次に進む。
抗うモノに対するシェーンベルクの金管・打楽器が実に効果的。

第2楽章もブラームスらしい優しくふくよかさをベースに見せながら
シェーンベルグのスパイスがしっかり効く。

第3楽章は少し粘性を帯びたっぷり情感が込められるのだが、
中間部のマーチになるとバシンと壮大な表情。
そしてまた濃厚なロマンに復帰。この猫の目変転を愉しめるかどうか。

終楽章はシェーンベルクがグロテスクに作った管弦楽法を強調した現代音楽。
でもまたもやそこにブラームスロマンを突然持ち込む。テンポの伸縮が自在。
最後は金管の咆哮、パーカッションの乱打。

なお、この盤の併録はブラームスのピアノ曲
「ヘンデルの主題による変奏曲とフーガ」(作品24)を
ルッブラがオーケストレーションしたもの。
こうした選曲もN・ヤルヴィはやるなあ、と思わせる。

録音はロンドンのst.jude-on-hillという教会でのセッション。
st.jude-on-hill london
StJude6_20170211092518093.jpg
シャンドスらしい場所の選択でたっぷりした音場感だが、各楽器は明快に聴ける。
この曲を実にスケール大きなものにしている。

15:10  9:11  11:54  9:25   計 45:40
演奏    S    録音  93点

コメント

N.ヤルヴィは素晴らしいですね。この曲は大好きです。クレンペラーが晩年に録音しなかったのは残念ですが、このヤルヴィの演奏は大満足です。
No title
この盤はネーメの名盤と思います。
この人は職人だと思っていたのですが
情熱家なんだと気づかされました。

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