クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

ブラームス セレナード第1番(九重奏版) ボッツタイン(93)

2017.01.09 (Mon)
ボッツタインセレ1
ボッツタイン/チェルシー室内アンサンブル(93、VANGUARD)は九重奏版。
原作を復元したものだが愛らしい曲に仕上がっている。夜に聴いてもほっこりする。
第2、3楽章はまさに「夜想曲」。

ブラームス(1833~97)は1857年25歳のときに「セレナード(第1番)」を
室内楽の形で書き始めた。編成はVn、Vo、Vc、Kb、Fl、2Cl、Fg、Hrという九重奏。
シューベルトの八重奏曲から2ndVnを除きFlと2ndClを入れた。
クラリネットを2本入れているのがなんといっても特色。
ヴァイオリンの華やかさよりくすんだクラリネットを追加投入しているところがミソ。

また、楽章も管弦楽版の6楽章に対して当初は4楽章だった。
管弦楽版は
第1楽章アレグロ・モルト
第2楽章スケルツォ
第3楽章アダージョ・ノン・トロッポ
第4楽章メヌエット
第5楽章スケルツォ
第6楽章ロンド
だが九重奏版では第2・第5楽章が無かった。

翌年1858年室内楽版は完成し親しい仲間の家で初演された。
ただ、交響曲に意欲を燃やしていたブラームスは1860年にかけてこの曲を
管弦楽版にした。結局出版されたのはこの管弦楽版で室内楽版は破棄された。
これをイギリスの音楽学者アラン・バウステッドが復元(1987初演)したのがこの盤。
従ってブラームスの原曲とは楽器の扱いは微妙に異なる可能性はある。

さて聴いての感想は、
九重奏はこの盤しか持っていないので比較のしようがないが、愉しめた。
比較的あっさり系の流れ。
親しい仲間とこのような室内楽を演奏できたら楽しいだろうな。

なお、この盤は後半が管弦楽版となっており一枚で両方が聴ける企画。
これは指揮者でもあるレオン・ボッツタイン(Leon Botstein, 1946年~ )によるもので
この人は米国の音楽学者・教育学者・指揮者・音楽雑誌編集者でもある。
研究者としてはブラームスからシェーンベルクの「世紀末ウィーン」をテーマとして
いるとのことでどんぴしゃりの成果。
レオン・ボットスタイ

録音はN.Y.クリントン・スタジオでのセッション。
クリントンスタジオ
如何にも室内楽のデットな音響でごまかしの効かないややドライ系。
もう少し潤いがあったら良かったと思う。

9:25  11:52  3::30  5:30  計 30:17
演奏   室A    録音  90点

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