クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

クラシック音楽のCDを中心に演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

ブラームス セレナード第1番 ボールト(78)

2017.01.06 (Fri)
ボールトセレ12
ボールト/ロンドンフィル(78、EMI)は流れる。
全てに拘りを捨てて流れる。無心に流れる。
この曲に冗長感を感じる人はこの演奏を聴くべきだろう。

ボールト(Sir Adrian Cedric Boult, 1889~1983)は英国の名指揮者だが、
なんとこの録音時90歳近い(因みに生まれた時にはブラームスはも存命中)。
Sir-adrian-boult.jpg
70年代初期に評価の高いブラームスの交響曲全集を完成させていたが、
数年後補完のようにセレナードを録音した。
しかしその音楽は全く枯れていない。
通常は老いて弛緩することが多いがそうでなくテンポが総じて速い。
というか10種以上の保有盤の中で最速。
ただ、無邪気に若々しいというものでなく、もっと達観した世界。
シャイー盤を先取りしたような流動感の中にブラームスらしい重厚さも。

第1楽章から流動感が強い。
しかしここにに聴こえてくるのはブラームスの音。
解釈は大袈裟なことはなくむしろさりげない。

第2、第3楽章は音を切り詰め潔い。
通常13,14分かかる第3楽章が8分半。
この楽章はAdagio non troppo(ゆっくりと、しかし極端でなく)なのだが
このボールトの演奏ではアダージョっぽくはない。Allegrettoに聴こえる。
音価が短く拍も通常と違うような。
ハンドリーの演奏で味わうような夢幻や密やかな抒情はない。
しかしここでは力強い肯定、自信りがある。

後半の3楽章も一貫して速い。
必要にして十分な響きはシンフォニックで見事。
一気に終結に持っていかれる。

録音はアビーロード第1スタジオでのセッション。
このスタジオの欠点出ず、伸びやかで拡がりもある。
DECCAのようなメリハリはないがこの曲では十分。バランスのよい音。
12:08  6:05  8:34  3:56  2:35  4:56   計 38:14
演奏   流A    録音  88点

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