2016.12.29 (Thu)

クライネフ(p)/キタエンコ/フランクフルト放送交響楽団(92、Teldec)は強靭。
プロコフィエフの青春のバーバリズムを感じさせる。
ヴラディーミル・クライネフ(1944~2011)はシベリア中部エニセイ川沿いのクラスノヤルスク出身の
ピアニスト。1970年の第4回チャイコフスキー・コンクールの覇者。

プロコフィエフのピアノ協奏曲全集を80年前後に一度収録。本盤は2回目の全集から。
この録音はあまり注目されていないかもしれないが侮れない音盤。
キタエンコの仕掛けも相まってオケとピアノの激突が愉しめる。

第1楽章は颯爽と始まったかと思うと、
中間部に来てぐっとテンポを落としおどろおどろしい暗雲がオケによって奏される。
そこに稲妻のような硬質なピアノ。終結にかけての急展開と劇的な構成。
第2楽章もクールな雰囲気がいい。
終楽章はバリバリ行く。打鍵は強くロシアのピアニズムを感じる。
コーダの手前でぐっとテンポを落とし突進する演出も決まっている。
オケと共に充実した強い響きだ。
録音はフランクフルト・ドルンブッシュ放送局でのセッション。
広さを感じる音場でバランスよい。
テルデックは地味な音イメージだが
鮮明度、立ち上がり、Dレンジ共にこれは予想以上。
6:40 4:04 4:17 計 15:01
演奏 S 録音 93点
コメント
影の王子様
ご丁寧にありがとうございます。
このクライネフというピアニストの
他の演奏は私も知りませんでした。
期待せずに聴いたのですが
しっかりした打鍵でかつ表情も豊か。
こうした発見があると嬉しくなります。
ご丁寧にありがとうございます。
このクライネフというピアニストの
他の演奏は私も知りませんでした。
期待せずに聴いたのですが
しっかりした打鍵でかつ表情も豊か。
こうした発見があると嬉しくなります。
こんばんは。
同じくナクソス・ミュージック・ライブラリーで
メロディアへの第1回(1976年)録音も聴けました。
指揮は同じキタエンコで、モスクワ・フィルです。
重心が低いというか、軽快さは十分にあるけれど
それが上滑りしないところが秀逸です。
作曲家がやはりロシアの音楽家だと再認識します。
同じくナクソス・ミュージック・ライブラリーで
メロディアへの第1回(1976年)録音も聴けました。
指揮は同じキタエンコで、モスクワ・フィルです。
重心が低いというか、軽快さは十分にあるけれど
それが上滑りしないところが秀逸です。
作曲家がやはりロシアの音楽家だと再認識します。
ナクソス・ミュージック・ライブラリーで聴きました。
ピアニストの名前も録音の存在も知りませんでした。
すべてにおいてバランスの良い演奏・録音ですね。
一本調子ではないところが良いです。
これは他の4曲も聴きたくなりました。
ご紹介ありがとうございました。