クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

クラシック音楽のCDを中心に演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

プロコフィエフ ヴァイオリン協奏曲第1番 モルドコヴィッチ(88) 

2016.12.14 (Wed)
モルドコヴィッチ
モルドコヴィッチ(Vn)/N・ヤルヴィ/スコティッシュ・ナショナル管弦楽団
(88、CHANDOS) は繊細と情熱。
プロコフィエフ20代半ばの若書きだが、この作曲家の天才的ロマンが溢れる。
この曲は寒い。だが、寒い以上がある。

ネーメはプロコフィエフにぴったり。そしてヴァイオリンが多彩。
リディア・モルドコヴィッチ(1944~2014)はロシア出身の女流ヴァイオリニストで
オイストラフに師事した。私はこの人の弾いたブリテンのヴァイオリン協奏曲で
ファンになった。巧いとか綺麗とかいうより心に来る気迫があった。
彼女はシャンドスレーベルにバッハから現代に至るまで60枚以上のCDを残したが
先年70歳で癌で亡くなった。
Lydia.jpg lydia-mordkovitch.jpg

第1楽章原始霧の中ヴァイオリンと木管がデリケート。
ホワーッと立ち上る響きが素晴らしい。
一方躍動感がある場面では情熱的な盛り上がり。図太さも。
それが静まるとまたもや氷点下に。ハープの音とともに消える。

第2楽章はスケルツォはモルドコヴィッチらしい。
師オイストラフ譲りというかロシア魂を感じさせる。
ヤルヴィの瞬発力もよい。

終楽章は終結に向けてヴォルテージが上がる。
弱さと強さ。心が切なさに満たされる。
コーダは交響曲第7番「青春」を先取りするキュンとするもの。
この人のヴァイオリンの節回しには何か民族的な方言が感じられる。
それが心にひっかける。

録音はグラスゴー・シティホールでのセッション。
この頃のシャンドスの風呂場音響はここでも。
しかしこの曲は幻想的な雰囲気なのでそれを演出するうえで一役買っていると思えばよい。

9:32  3:48  8:28   計 21:48
演奏   S    録音  92点

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