クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

ファリャ 三角帽子 アンセルメ(61) 

2016.11.13 (Sun)
アンセルメ三角帽子LP
アンセルメ/スイス・ロマンド管弦楽団(61、DECCA)はバレエ音楽として最高峰。
ワクワクするこの曲が好き。

「三角帽子」とは以前はピエロがかぶるような尖がった帽子を勝手に想像していたが、
ヘリの三か所が上に反り返った帽子で17-18世紀のスペインで市長などの権威の
象徴だったとのこと。
(↓ピカソによる舞台衣装デザイン)
tricorne-picaso.jpg

ストーリーは何とも他愛ない。音楽が素晴らしい。
聴くだけでスペイン南部のアンダルシアに居る気になる。

そしてこの演奏が良い。
この曲を委嘱したバレエ・リュッスの専属指揮者でこの曲を初演したアンセルメは
権威といえる。場面ごとの切り替え、リズム、華やかさ、ローカルムードの表出など
素晴らしい。DECCAではデュトワがデジタル時代のアンセルメ路線の後継のように
録音を繰り出したがやはりアンセルメは偉大だった。

また、スイス・ロマンド管弦楽団は洗練されておらず重くないので
こうした曲にぴったり。名門オケで出せない妙な雰囲気がある。

テレサ・ベルガンサの歌唱もムンムン。

一つだけ言えば、終曲が少しクールで豪快な迫力に欠けること。
しかしバレエ音楽としてはこれ以上やると舞台が負けてしまう。
無い物ねだりというもの。この部分のド迫力は別の演奏で満たされる。

録音はジュネーブ・ヴィクトリア・ホールでのセッション。
この頃のDECCAらしいオンマイクで分離明快な音。
溶け合いよりもクリアネス。ティンパニの粒立ちも冴える。
フィナーレではテープ収録のぎりぎり感があるし、
大太鼓の量感などは抑えられたスリムさ。
ただ、半世紀以上前の音としてこの鮮度はありがたい。

全曲
1:35  5:05  3:38  4:05  3:15  6:59  6:01  6:11  計 36:49
演奏   A+   録音  87点

コメント


管理者のみに表示

トラックバック