クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

クラシック音楽のCDを中心に演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

グレインジャー 戦士たち ラトル(96)

2016.11.09 (Wed)
ラトルグレインジャー
ラトル/バーミンガム市響(96、EMI)はぴったり。
ラトルはグレインジャー擁護者の一人。
明るくリズミックなこの作曲家の作風とは相性がいい。
そして大規模管弦楽曲の「戦士たち」とはばっちり。
聴く前からわかる。
一言でいえば非常に聞かせ上手。
この曲をダイナミックに面白く演奏している。
ノリノリである。

一点残念なのは終結部でオケの楽器が各所で咆哮する場面、
響きが混ざり合いすぎて各方面から聴こえるはずの音が塊になること。
これはラトルのせいではない。
なお、アシスタント・プロデューサーのシュテファン・フロストが
サブ指揮者を務めている。

また、このアルバムの選曲はラトルらしい拘り。
冒頭第1曲目『組曲:早わかり(1916) 第1曲:到着ホームでうたう鼻歌』は
最後に収録のこの「戦士たち」と同じフレーズが出てくることを気付かせる。
また「リンカーンシャーの花束」というポピュラー曲を挟んで
ラヴェル「鐘の谷」やドビュッシー「版画」の編曲を置いていたり。
この作曲家の才能の多彩さを明らかにする。

彼の小品はパッと聴くとライト・ミュージックのようだが、斬新なアイデアを
発揮していたことを教えてくれるアルバム。
しかし、「戦士たち」がディアギレエフのバレエとして上演されていれば
もっとグレインジャーに大作の依頼が来ていたことだろうにと思うと
(歴史のいたずらといえど)残念だ。
simon-rattle-1976.jpg

録音はバーミンガム、シンフォニーホールでのセッション。
EMIとしては奥行き感に優れた録音。Dレンジの極大な曲なので
レベルが少し抑え気味に収録されている。
バスドラ含むオケのトッティではEMIにしては珍しいゆるがせにする音響が
味わえる。スケール感はいいのだが、個々の楽器の掴みがもっとできていれば
更にこの曲の面白さを伝えられていたと思う。微妙に飽和感がある。

18:42
演奏   A+    録音  93点

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