クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

クラシック音楽のCDを中心に演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

シューベルト ピアノ・ソナタ第21番 アファナシエフ(97)

2016.10.29 (Sat)
アファナシエフ192021
アファナシエフ(97、DENON)は演劇。暗いものを暗いという。
極めて分かりやすい。
アファナシエフは「展覧会の絵」をほんとに人形劇として上演している。
そうした性向がここでもはっきり出ている。
音楽を抽象芸術でなく視覚化出来てしまうのだろう。

演奏時間56分超のピアノ・ソナタ。
特に異様なのはその半分を占める第1楽章。
アファナシエフの1985年のロッケンハウス音楽祭のECM盤を聴いて
この曲の深く暗い淵に気づかされた私だがこの盤は更に傷口を拡げている。
単に遅いというのでなくまさにドラマ。
一様にテンポがゆっくりではなく、粒立ち明快なタッチとぱっくり開いた休符。
速度の変転。ワンフレーズごとに突き落とされる。
これがべたっとした音の羅列だったら持たない。
第一幕の中に8場ある感じ。

第2楽章、前楽章の遥か長い旅路を終えたと思うと、
またもやポツリポツリと第二幕が始まる。
ここでも中間部で場面転換がある。

第3楽章・第4楽章は前2楽章と様子を変えテンポは通常に近い。
場面の切り替えは相変わらず。
終楽章の無邪気な明るさを聴くと第1楽章のアレは何だったのだろう。
とにかくここで現実に引き戻してくれる。
一度臨死経験を体感してみたいとも思うが何度もしたくはない、
とふと思った。
(↓1997年のピアニスト)
Afanassiev_Valery1997.jpg

録音はハノーファーのNDRスタジオでのセッション。
3/24~28の間に集中的にシューベルトの最後の3つのソナタを録音。
凄い体力。音はデンオン(デノン)らしく素直。

28:13  12:40  5:06  10:20   計 56:19
演奏   劇    録音  94点

コメント


管理者のみに表示

トラックバック