クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

クラシック音楽のCDを中心に演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

ベートーヴェン 交響曲第6番 ジンマン(98)

2016.10.13 (Thu)
ジンマン56
ジンマン/チューリッヒ・トーンハレ管弦楽団(98、ARTE NOVA)は愉悦感。
ディベルティメントのよう。

“モダン楽器によるベーレンライター原典版世界初録音”という謳い文句の全集で
注目を集めたが後から実はベーレンライター版準拠といえるものでないこと、
独自の装飾音などはジンマンのアイデアということが分かり評価が迷走。

確かに第1楽章第2主題のトリルなど、ベートーヴェンは一音たりとも変えてはならぬ
という信念を持っていると許しがたい。
全体にあまりに軽くスイスイ行くので威厳が無くて3大Bとして如何なものかとも。

しかし、そんなことを頭で考えるよりも、この演奏を初めて聴いた時の
ワクワク感が忘れられない。

ピリオド奏法とかいうよりもジンマンの音楽づくりが既成概念を打ち破るものだった。
編成を刈り込み、きらきら透明な音で紡ぐ「田園」。
ピリオド楽器よりもスッとしているので清涼感がある。
そしてリズムがなんといってもよい。アンダンテの第2楽章ですら前進性を感じる。
軽やかにステップ、実に愉しい。

第3楽章は一層躍動する。潔いアクセントが爽やか。
管の相槌も聴いたことのない効果。

第4楽章の嵐ですら明るい。

終楽章はチャーミング。軽すぎるといわれればそれまで。
しんみり感はないのだが最初から最後まで筋は通っている。
大上段な幸福というより、市井の人々のちょっとしたした喜び、
という雰囲気。

録音はチューリッヒ・トーンハレでのセッション。
素晴らしいホールで小編成オケをうまく録った優秀録音。
むき出しの音でなくヴェールをかぶっているが雰囲気はよい。
トーンハレ

10:21  12:01  4:49  3:37  9:08   計  39:56
演奏  A+    録音  93点

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