クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

ベートーヴェン 交響曲第6番 マゼール(78)

2016.10.06 (Thu)
マゼール全集2
マゼール/クリーヴランド管弦楽団(78、SONY)は弦楽合奏曲。

デジタル時代到来の直前にアナログで録音してしまったために
忘れられた(?)全集から。
単発でこの「田園」が発売されたのか記憶にない。

古楽器派先取り。
音を短く切り、オケを切り詰め引き締まった音で室内楽的響き。
清潔感があって好印象。左右分離が明快で弦の動きが手に取るよう。
そう、この演奏はサクサクした「弦」がポイント。
クリーヴランドの弦楽セクションの合奏力に舌を巻く。

また、この頃のマゼールは表現主義的な手法を控え一見
さっぱりした音楽を作っていた時期。それが「田園」にうまくあった。
テンポもまっとうで変な溜めは(最後数小節を除き)ない。
ブラインドで聴いたらまずマゼールとは分からないだろう。

では指揮者が何もしてないのかというと違う。
特に弦の扱いがとにかく徹底して意識させられる。
全編で1stと2ndヴァイオリンの音を同値に置いたり
左右の掛け合いの面白さを引き出したり
少ないヴィブラート、明快なトリルで音型をくっきりしたり。

「嵐」を全く力で押し切らないのも弦を聴かせるため。
ここもまた弦楽5部の速いパッセージの動きがとても面白い。
太鼓やブラスで弦を掻き消さないように配慮されている。
低弦にしっかり表情がついているのが凄い。

最終楽章もまた弦の青い音色に魅了される。端正で折り目正しい。
曲者マゼールが何か仕掛けてくるのではないかと少しハラハラするが
引き続き弦楽合奏の妙を見せつける。
この清冽な弦の表情に感動してしまった。
最後の最後にちょっぴりマゼールしているのはご愛嬌(笑)。

録音はマソニック・オーディトリウムでのセッション。
アナログ末期だが全く不満はない。
残響は少なく派手な音はしないが過不足ない。
落ち着いて弦の音色を味わえる。    

11:39  12:50  5:12  3:34  11:05  計 44:20
演奏   弦A+   録音  90点 

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