クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

クラシック音楽のCDを中心に演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

ベートーヴェン 交響曲第6番 アバド(86)

2016.09.19 (Mon)
アバドVPO田園
アバド/ウィーンフィル(86、DG)は私には掴みどころがなかった。

クラウディオ・アバド(1933~2014)の指揮はちょっと予測不能感がある。
ロンドン響と演ったものはまだ、スッキリ・切れ味という統一印象があるが、
ウィーンやベルリンでは特に分からない。
この演奏は86年、ウィーン国立歌劇場の音楽監督に就任した年のもの。
(↓1986年のアバド)
1986abbado.jpg
アバドのウィーン歴は長く両者は旧知。そうした意味ではアバドは思う存分やっている。
但し統一感がなく前2楽章と後半3楽章で別人のような感じ。

第1楽章冒頭を聴いてぽってりした出だしにまず戸惑う。その後も
ずっと弦の歌わせ方は情緒纏綿。まとわりつくねっとり感は好みが分かれそう。
ヴィヴラートとテヌートの多用。そして大編成の低弦のだぼだぼ音響。
終結のこれ見よがしの高揚。
テンポは遅く反復されるため保有盤最長の13分半かかる。心して挑む必要。

第2楽章も同様。音はとても綺麗なのだが持ってまわったような抑揚が気になる。
現代のメンゲルベルク。
分厚く盛り上がった後の最弱音のひそひそ感。ロマンティックというより表現主義的。

第3楽章に入ると運動性を取り戻す。
この盤はライブ表記だがここでは聴衆の気配を感じる。
ホルンの音を割らんばかりの強奏やアクセントの明快さ。

「嵐」では雷鳴のパルスは相当なもの。

終楽章も元気が持続。歌う部分では纏綿たる弦が戻ってくるのだが、
テンポなど健全を維持。アタックは強く音楽が剛毅。
前半は何だったのかと思う。

録音はムジークフェライン大ホールでのライヴ収録とあるが
例によってそうと書かれなければ分からないDG方式。
拍手やノイズはないが先述の通り前半と後半で空気が違う。
このホールらしい量感たっぷりの音。オケの人数が多いので、
細部よりもマストーンの比重が大きい。

13:28  12:27  5:32  3:36  9:21   計 44:24
演奏   裂    録音 90点

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