クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

ベートーヴェン 交響曲第6番 クリュイタンス(60)

2016.09.17 (Sat)
クリュイタンス6
クリュイタンス/ベルリン・フィル(60、EMI)は力を秘めた安定。
アンドレ・クリュイタンス(1905~67)はベルギー出身。
フランス語に加えドイツ語も公用語で幼少より両言語、文化に接して育った。
基本的にはフランス作品、フランスのオケを振るイメージだが、EMIはステレオ初の
ベートーヴェン交響曲全集の制作に彼を抜擢した。いろんな事情はあるにせよ英断。
クリュイタンス

また、これはベルリン・フィル初のベートーヴェン交響曲全集録音でもある。

そしてこの「田園」はこの全集の中で一番有名。
1957~60年の全集セッションの最後に録音されたのがこの曲。
このコンビは1955年にモノラルで「田園」を録音しているのでこの曲だけは再録音。

演奏は冒頭より実にたおやかで自然。
最初の2楽章は何もしていないようでいて、
フレーズごとの呼吸を意識し、仄かにしかし積極的な表情がみられる。
めちゃくちゃ安心を感じるのはベルリン・フィル・ピラミッドが効いているから。

第3楽章など真面目すぎるような気もするがソロのうまさピカ一。

第4楽章は凄味がある。クリュイタンスは女性的というイメージもあるが
ここでの迫力はそれを覆す。
ただし、彼の音創りは角張ったものでなくフォルティシモの両端が丸いので
刺激がまろやかということはある。ここらはマジャール系と一線を画す。

終楽章は恰幅が良い。音の量は多く豪勢。

聴いていて前半2楽章はクリュイタンス、後半3楽章はベルリンを強く感じた。

録音はベルリン、グリューネヴァルト教会でのセッション。
古さは感じさせヒスも残るが柔らかい残響が心地よい。
伸びもよくセンスの良い音。マイクはそれほど遠くなく結構明瞭。
全集最後に録音されたということもありこの中では一番いい音。

10:18  13:44  5:13  4:08  10:09   計 43:32
演奏   A   録音  86点

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