2016.09.10 (Sat)

トスカニーニ/NBC交響楽団(43、dellArte)はオペラティック。
しかし、イタリア人トスカニーニ(1867~1957)と
スウェーデン人アッテルベリ(1887~1974)は結びつかない。
しかもこの交響曲は甘く北欧の香り満載だ。
それは偶然の産物だった。
トスカニーニがアメリカで最初に借りた家がなんと偶々作曲家の父の家。
(なぜアメリカに家を持っていたのかは不明。父は富豪なのか?)
そしてそこの家財ピアノでまたまた偶々、交この曲のスコアを発見してしまう。
この交響曲がシューベルト没後百周年コンクール優勝作品とは知らず。
トスカニーニは「傑作」じゃないかと確信する。
そして放送用ライブ録音を敢行した。その記録がこの盤。
演奏は一聴してこれがあのトスカニーニと思えない濃厚ムンムン。
テンポは揺れ大きな表情がつく。これでもかとぴうほどメロメロ。
ブラインドではトスカニーニとわからないだろう。
アーベントローかフルトヴェングラーのようだ。
第1楽章が終わったところで拍手が起きるが、確かに堂々とした
ストーリーが展開され終結で感極まる。
第2楽章もなんという噎せ返り。咽び泣き。
終楽章はまたもや仕掛け満載で素晴らしく効果的。
劇画的演出だが考えてみればトスカニーニはオペラの達人。
そんなことを思い出させる。

録音場所の記載はないがNBCが放送用使いかつデットな音響で
あることから8Hスタジオでのライブ収録と思われる。

音は十分聴きとれる。トスカニーニ唯一の録音として
貴重な盤という位置づけだろう。
10:13 10:59 7:55 計 29:07
演奏 珍 録音 75点