クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

バルトーク 管弦楽のための協奏曲 ドラティ(83)

2016.08.09 (Tue)
ドラティACO
ドラティ/ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団(83、Philips)は豊潤。
これをブラインドで聴いて、それがドラティだとわかる人はまずいないのでは。
なんと言ってもこのオケとホールの持ち味が前面に出ている。
Concertgebouw.jpg

ドラティ(1906~88)は53年にミネアポリス響、62年LSOと
この曲を録音しているのでこれは3度目。
LSO盤はオケの機能性を直球でカチッと攻めたもの(ラッパ音が強烈)。
また、この録音と同じ時期でもDECCAとデトロイト響とだったら
別の印象になったのではないか。

さて本盤。
第1楽章いきなり深い森にたたされる。分厚い弦の響きがあくまでベース。
金管はマイルド。アクセントの付け方が硬直でなく、
メロディもしっかり歌わせる。それでもテンポはだれないのがドラティ。
しかし、このホールの空間に響く木管はなんと美しいのか。
金管はガブリエリの「ブラスの饗宴」的。

第2楽章もリズム感よく快適な進行。

第3楽章は決然とした表情を見せるが出てくる音はヒステリックにならない。

第4楽章は美しい仕上がり。アイロニーもマイルドに。

終楽章のスピード感は流石に苦労している。
重量感があるのでそうはきびきび動けない。
響きが被らない範囲でコントロールしながら音を奔流をさせる。
結果として緊張感はそこそこ各楽器の音を楽しめることになった。

録音はコンセルトヘボウ・大ホールでのセッション。
このホールでこの曲はどうなのかと思うが独自の音場が
個性的でスケールの大きな演奏を生んだ。
フィリップス録音陣も流石に心得ていて
しっかりマイクを立てもやもやにしないように音をしっかり拾い
不満はない。
引き締まった音を望む人もともとこの盤を選択しないだろう。

9:52  6:33  6:49  4:33  9:30   計 37:17
演奏   A   録音  93点

コメント


管理者のみに表示

トラックバック