クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

バルトーク 管弦楽のための協奏曲 ブーレーズ(72)

2016.08.05 (Fri)
ブーレーズnyp
ブーレーズ/ニューヨークフィル(72、SONY)は意外な熱血漢。

ブーレーズを語る時、
数学者、セリー音楽の推進から電子音響技術の活用など
バリバリの現代音楽作曲家というイメージがあり、
論理的、正確無比、冷徹という言葉が安易に使われる。
しかし彼には実は相当情動的な面があると思う。

それを感じたのはファリャの「三角帽子」を聴いた時。
最初はバーンスタインが振っているのだとばかり思っていた。実に熱い演奏。
考えてみればブーレーズはNYPの音楽監督を1971年から77年まで務めており
聴衆を意識しない音楽づくりはできない面もあったのだろう。
期待されているのは理性知性だけではないということを知り解放を知った。
(↓1970頃のブーレーズ)
boulez1970.jpg

そしてこのバルトークにも情感の迸りが見られる。
終楽章のプレスト。
ライナーもぶっちぎる異常なスピード。保有盤最速。
アンサンブルは際どいし、楽器のバランスもめちゃくちゃ。
とにかく走りまくり、最後はスコアにないテンポの可変を行い突き落とし。
とてもクールとは思えない。

前楽章までも紋きり型でない粘りを見せたり、
思いがけないチャーミングな表情も。
硬骨漢という感じはない。
冒頭楽章など硬質ティンパニを伴う杭の打ち込みと
木管の優しいメロディの対比が効果的でロマンティック。

全体的に今となるとこれより精緻で力強い演奏が出ているので
影が薄くなったが、終曲のスピードは破られていない。
また、特殊な録音方法をとったことから
普段は聴きとれない楽器が突如飛び出す不思議さもある。

録音はマンハッタンセンターでのセッション。
これが出た時はとにかく話題になった。演奏ではなく録音で。
ジャケットや録音風景を見てもわかるように
quadraphonic(SQ4ch)収録のため特殊な配置をとっている。
(↓パーテンションで仕切られたオケの各群が指揮者が取り囲む)
fc2blog_20160804222346d76.jpg
現在はそのシステムがないので2chにミックスダウンしているので
音場がやや不自然。金管が奥に行ったり左の近くから聴こえたり。
またアナログテープ収録時代のため編集の跡もわかる。  

9:57  6:41  7:26  4:18  8:38  計 37:00
演奏   A   録音  87点

コメント

アツいです!
ブーレーズの同曲異演盤ですと、CBS>>>越えられない壁>>>DG
という印象ですが、この曲ではハッキリしていますね。

録音もこちらの方がはるかに鮮明。そして何より演奏がアツいです!

第3楽章の哀感・・・

ショスタコーヴィチを憎んでいた彼からしたら絶好の第4楽章

奔流のフィナーレのティンパニーのカッコ良さ!い~やぁ、痺れました。
No title
影の王子様
ブーレーズは案外熱かったのですね。
この頃は・・・。
DGに行ってからは
このような知と情一体となったような
演奏は記憶が無いですね。


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