クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

バルトーク 管弦楽のための協奏曲 ブロムシュテット(93)

2016.08.01 (Mon)
ブロムシュテット
ブロムシュテッド/サンフランシスコ交響楽団(93、DECCA)は煌びやかなど迫力音響。
こうした演奏を聴くとライナーやショルティが少しセピアに聴こえてくる。
凛とした音を維持しながら、色彩が豊かだ。

この演奏のすごさは、圧倒的な録音の進歩もあるが心の立脚点にもある。
バルトークと同時代感覚的演奏とは少し違い、別の視点を持つ。

『どの演奏も結局1955年のライナーを超えられない』

と老成した評論家然として片付けてしまうと自分の目(耳)をつぶってしまうのと同じだ。
もちろんライナーは素晴らしい。でも価値観の多様化はどんな分野にも及んでいる。
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第1楽章はドスの効いた音楽。
低弦は深く、高弦はエッジが効いた毅然とした音。
いざとなるとティンパニはドカン。ホルンは痛快なバズーカ。
整然とした美しさはあるが全体には押しの強い雰囲気が漂う。
静と動の対比が極端でダイナミックの幅が異常に大きい。

第2楽章はスタイリッシュでスピード感覚はライナーに似ている。
リズムのアクセントも心地よく吹きぬける。
木管の表情は活き活き積極的。

第3楽章の夜の風景もここではあでやか。
切れば血の出る様な迫真性があるが安定した低域の充実で
キンキンしないところが見事。

第4楽章もソロの囀りが可愛い。

終楽章は騒然とした音響の中オケが突っ走る。
平然と巨大な音響が突進する。
間然とするところのない音楽。

録音はサンフランシスコ、デイヴィス・シンフォニー・ホールでのセッション。
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DECCAの面目躍如。相変わらず広い空間に量感も伴った音響は素晴らしい。
低域から高域まで分厚く綺麗。ヌケよく輝かしい。スケール感の中に膨大な情報量。

9:41  6:04  7:06  4:25  9:14   計 36:30
演奏    S    録音 97点

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