クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

クラシック音楽のCDを中心に演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

バルトーク 管弦楽のための協奏曲 サロネン(96)

2016.07.30 (Sat)
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サロネン/ロスアンジェルスフィル(96、SONY)は澄みきった歌。
力感や緊張感ではなく軽ろやかな美感で勝負に出たサロネン。
それはスマートに成果を収めた。

これを聴くとオケ・コンなんてうまいオケと録音が良ければ指揮者は関係なし、
という認識が覆る。まだこの曲にはこうした美しさの表出ができるのだ。
ただ、ぼんやり聴いていると
仕掛けが分からずソフトな演奏と印象付けられる恐れもあり。
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第1楽章最弱音を駆使して低速で始まる。第1主題はヴァイオリンを実に新鮮に
歌わせながら提示。表情が極めて多彩なのだが、透け通る様な繊細さ。

第2楽章は硬質な太鼓に導かれ快適なテンポで進行。
ここでも弦の美しさは変わらず、きりりと引き締まった音。
金管の吹奏のバランスも絶妙でピンとした音。

第3楽章は冒頭楽章同様極めて抑制された音で始まる。
歌は時に強めにでる金管に楔を打ち込まれるがしなやかな歌を忘れない。
切ない。
サロネンは清潔に仕上げる。

第4楽章はこれまた繊細な歌。心に沁みる。

終楽章は出たサロネン・スピード。
それがどこまでも軽やかで力みがない。空をすいすい飛んでいる。
サロネンのリズミカルで平然とした指揮ぶりが目に浮かぶ。
超快速の合間のパーツは練り込まれ優しく多彩な表情。
そして最後はいよいよ迫力を示す。
力だけで押してこなかったので終結の壮麗が活きる。
実にフレッシュなバルトーク。

録音はロスのTodd-AO Scoring Stageという場所。
Todd-AO stage
SONYの映画サントラ収録などで使われるスタジオ。広さはないが
綺麗な音がとれている。
低域などオドロオドロした音は入っていないが
サロネンの目指す方向に合致しているので不足はない。

10:42  6:23  7:47  4:19  9:11  計 38:22
演奏   S   録音 93点

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