クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

クラシック音楽のCDを中心に演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

サン=サーンス ピアノ協奏曲第4番 チッコリーニ(70)

2016.07.23 (Sat)
サンサーンスチッコリーニ
チッコリーニ(p)/ボド/パリ管弦楽団(70、EMI)はラテンを感じる。

アルド・チッコリーニ(Aldo Ciccolini, 1925~ 2015年)はフランスに長く居住した
イタリア人ピアニスト。本盤は90歳目前で亡くなった彼の人生の折り返し点での記録。
(↓壮年期と80代のチッコリーニ)
若き日のチコリーニ    チッコリーニ

同世代の南仏マルセイユ出身のセルジュ・ボド(1927年~)と組んでいることも
この演奏のムードを作ったと思われる。

音が明るい。
清涼なリリシズムというよりサン=サーンスの屈託のない伸びやかな面が出ている。
聴いていてとても気持ちいい。特に第2楽章の終結にかけて活気を漲らせる。

それはそれでいい。
でも、多面性を持つサン=サーンスの微妙な綾も懐かしくもなる。
チッコリーニのピアノがナポリ人気質?で大らかな打鍵を披露している。
ただ、陽気さとともに感じるラフさの原因はそれだけではないかもしれない。

もう一つの要因はこのオケ。
68年のミュンシュの急逝の後、69年にカラヤンに白羽の矢が立ち音楽顧問とした。
しかしカラヤンはベルリンフィルほかの仕事に追われていてあまりこのオケと
組むことはなかった(70年万博もカラヤンはBPOと来日している)。
結局、2年間で終わったカラヤンとこのオケの関係だが、
この時期その穴埋めをしていたのがボド。
指揮者としてはまだ実績が少なかったボドをオケの猛者は馬鹿にしていたともいう。
統率感が薄いのはそうしたこともあったのかもしれない。
71年にボドはこのオケを去る。

先入観を持ってこの演奏を聴いたのではなく、
この演奏を聴いてそんな背景を思い出した。

録音はパリのサル・ワグラムでのセッション。
当時の仏EMIらしくやや乾いた音がザクっとなる。
音場は十分。但しクリアさ薄くセピアの滲むアナログ録音。

12:31  14:57   計 27:28
演奏   A    録音 87点

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