クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

クラシック音楽のCDを中心に演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

ヴァレーズ アメリカ ブーレーズ(95)

2016.07.14 (Thu)
ヴァレーズブーレーズシカゴ
ブーレーズ/シカゴ交響楽団(95、DG)は円熟の蹉跌を思う。

ブーレーズの再録音。しかもシカゴ響との演奏となれば期待は高まる。
しかし…。

75年盤と20年後の本盤。
録音のDレンジは明らかに20年後のデジタル録音であるこちらの方が優秀。
しかし演奏が違う。
打楽器の打ち込み、金管の起立、弦の張力…みんな緩い。
テンポは保有盤最長で音響、演奏時間両方で弛緩している。

これはブーレーズの「円熟」なのか?
丸みを帯びた表現で疲れなくて済むのだが、
この曲を聴くときはおおよそ覚悟はできている。

厳しい表現があるからこそ、その合間のリリシズムが生きる。
この演奏はその欠落を痛切に感じさせる。

終結の大音響の連続も追い立てないので
確かに色んな楽器が聴こえる。
しかしそのことと音楽の目指すものとは一致していない。

あまりにも75年盤を好き過ぎた故の反動かもしれない。
ピエール・ブーレーズ(1925~2016)のコロムビア時代とDG時代の演奏の
変遷はよく言われるが、この曲では残念な方になったと言わざるを得ない。
(↓1975年のブーレーズ)
Pierre-Boulez-1975_20160710194749c43.jpg
(↓1994年のブーレーズ)
1994_20160710194810011.jpg

録音はシカゴのオーケストラホールでのセッション。
量感十分なのだが、鮮明さは今一歩。
もう一皮剥けたおとを期待していた。これは演奏の責任かもしれない。

25:12
演奏   A-    録音  92点

コメント

No title
ブーレーズの晩年は良く言えば円熟、悪く言えば衰えたと言うことになりますね。
晩年指揮者としての活動が多く、マーラーやブルックナーを録音しましたが、
ブーレーズがマーラー指揮者、ブルックナー指揮者だったとは思えません。
やはり、作曲家として自作や現代曲を録音していた頃のブーレーズが好みです。
No title
確かにDG時代のブーレーズで
強烈に印象に残っているのは?
というとぱっと思い浮かびません。
全てを聴いているわけではないのですが
・・・。

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