クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

ヴァレーズ アメリカ ナガノ(92)

2016.07.12 (Tue)
ヴァレーズナガノ
ナガノ/フランス国立管弦楽団(92、ERATO)は「音楽」が聞こえる。
「音響」を目指したヴァレーズに潜む「音楽」を掬いとっている。
流麗かつ冷静で音のどぎつさで勝負するのでなく丁寧に音を並置する。
録音も含めて突如の音のパルス感は弱く人を驚かせるような演奏ではない。

ヴァレーズはもともとフランス人で後にアメリカに帰化するが、
この演奏を聴くとなるほど、ルーツはパリと思う。

冒頭のアルト・フルート、ハープ、浮遊する音感覚は印象派を感じさせる。
その後の展開も実に「音楽的」。
フレーズごとの表情がしっかりあり保守的聴き手にも受け入れられそう。
木管や弦など歌っている。その分無慈悲性は後退しており、
終結に至る音塊の行進は、各種なぎ倒しつつもどこか温もりを感じさせる。

ヴァレーズの笑顔の写真は見かけない。
この演奏の印象はどちらかというと温和な左の写真。
edgard_varese.jpg  varese.jpg

録音は場所不詳のセッション。
エラートらしいギラギラ音ではなく少しヴェールをかぶった優しい音。
この曲で活躍する打楽器群もやや距離を置いておりその意味でも刺激は弱い。
しかし、音の混濁はなく各種音は聞こえている。

23:26
演奏   A   録音  91点

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